14日に正式発表されたSMAPの解散。スポーツ新聞も週刊誌もこぞってこの話題を特集しているが、そのすべてがメンバー個々人に解散の責任を押し付けるものになっていることに違和感を覚える。つまり、<解散の理由は、メンバー間の不仲にある>とされているのだ。
不仲の理由は、ジャニーズ事務所からの独立をめぐる考えの違い。昨年、SMAP育ての親であるチーフマネージャー・飯島三智氏と共に事務所を独立する計画を練ったSMAPだが、一度はこの計画に乗った木村拓哉が直前で「やはり事務所に恩義がある」と翻意したことで計画は頓挫。飯島氏は芸能界を去ることになり、事務所に残るSMAPは生放送で「ファンや関係者に心配と迷惑をかけたこと」を謝罪した。これにより、木村を“裏切り者”とみなした他メンバーとの間に深い溝が生じたというものである。
たとえば「日刊スポーツ」は、「(1月におこなわれた生放送謝罪の直後)中居正広が、稲垣吾郎・草なぎ剛・香取慎吾の3人に『木村と口をきくんじゃねーぞ!』と言い放った」。「週刊新潮」(新潮社)は、中居ら4人から無視されまくったうえ解散要求が出ていることを知った木村が、「(藤島)ジュリー副社長に『だったら4人はクビにしてください!』と懇願したそうです」「キムタクは、自分から歩み寄っているのに全く相手にされず、かなり頭にきていた。(スマスマ)担当プロデューサーに、こんなんじゃやってられないという抗議のメールを送っていますからね」。
そして「週刊文春」(文藝春秋)では、ジャニーズ事務所顧問の小杉理宇造氏が登場し、話し合いの席で草なぎと香取が小杉氏に「昨日今日に始まったことではないんです。僕たちは十五年前にもう壊れていたんです。でも、そこから十年やり続けた。それを理解してください」と言ったことを“明かし”、木村と工藤静香が“飯島氏の反対を押しきって”電撃結婚したこと、そして仕事より家族を優先する木村と他のメンバーとの間に隔たりが生じてしまったことが、今回の解散劇につながったのだとしている。
もちろん、集団で活動を継続していくうえで、何度も分解の危機は訪れただろう。しかしそれを乗り越えてきたからこそ、結成25周年を記念して2013年4月に放送された『SMAP×SMAP SMAPはじめての5人旅スペシャル』(フジテレビ系)にて、旅館のカラオケで「BestFriend」を歌った後、中居は涙を流しながら「10人が突っかかってきても、俺絶対SMAP守れるよ、今」と言ったのではないだろうか。
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