うつりん「前にも話題にしたように、昔は精神病の原因は、悪魔や狐にとりつかれたからだと考えられていたうつ。つまり精神病は超常的なものが体にとり憑いたものが原因だから、それを洗い流したり清めたりしなければならない、と昔の人は考えたうつ。精神病治療に水を利用したものが多いのはそのせいうつ。」※2
夢子「昔はお祓いが精神病の治療そのものだったのかぁ」
うつりん「そうそう。精神病の治療として、水を使った悪魔祓いを行うんだうつね。『病気だからお祓いを受けたい』と思うのは、ほかに方法がない昔であれば、しごく合理的なことだったんだうつよ。そして夢子は、『昔だったら合理的だったこと(けど、いまはそうではないこと)』をひどく重要視するタイプの人間うつ。そして水素水も温泉も、水が主体のものうつ」
夢子「つまり……?」
うつりん「夢子も心の奥底では『水信仰』の信者なんだうつ! しかもうつは自分の中に穢があるせい、もしくはなにかにとり憑かれて起こるという迷信が夢子の心の中には根強く残っているうつ! 夢子が水素水や温泉なら使いたいと思うのは、『水』なら悪魔祓いを行うように精神病を治せるとどこかで信じているからじゃないうつか? 夢子が水素水というちょっぴりお高めで不思議な力のありそうな『水』で洗い流そうとしているのは、体のサビなんかじゃない、うつ病だうつ!」
夢子「ええーーっ! そこまで深くは考えてなかったけど……言われてみればそんな気もしなくないかも??」
うつりん「そもそも体のサビって何うつかねぇ? 体に自転車のサビみたいなものができるんだうつか?(ブツブツ……)」
※1 『日本大百科全書』(相賀徹夫編集著作・小学館)
※2『精神病院の起源』(小俣和一郎・太田出版)より
(大和彩)
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