女に生まれついたというだけで、「肌が白くてつるすべ」「毛が生えない」「臭くない」などなど、キレイなイメージを付与される私たち。つい最近も、Twitterで「女って一度毛を剃ったらもう生えてこないんでしょ?」という大きな誤解をしている男子を晒したツイートがRTされまくり議論を呼んだ。いやいやいや、生え続けるって……。 美しい肌を保つということがどれだけ大変か、多くの女性は知っている。知っているからこそ、美肌を保ち続けている他者には、大きな敬意を払うものなのだ。
「はじめまして」――彼女が所属する事務所の一室で挨拶を交わした瞬間に、その美肌ぶりに驚く。「陶器のような肌」「透き通るような肌」とはこういう事なのか。お顔だけでなく、小さめの手なのに、白く細くそして、長く伸びた指。そして、その時身にまとっていたオフショルダーからは、デコルテと華奢な肩と背中が眩しい……(涙)。
その方は、モデル・パーツモデルとして活躍する海老沼由浦(えびぬま ゆほ)さん。「手」や「脚」だけでなく、まだパーツモデル界でも数が少ないと言われている「背中」のお仕事も数多くされているという。つまり、顔のお肌が美しいだけでなく、腕も脚も背中も、いや爪先まで、どこにフォーカスされてもOKな隙のない美しさを保っているということ。海老沼さんは一体どんな生活を送っているのだろうか?
おまけ感覚で始めた、パーツモデルという仕事
――なぜ「パーツモデル」のお仕事を?
海老沼 最初はモデルの仕事がしたくて、短大卒業後にモデル事務所に所属しました。今はもう現役からは離れていますが、私の叔母が、20年間くらい、ファッションモデルだったんです。なので、職業的には結構身近な印象を抱いていて、やってみたいなとずっと思っていました。両親には反対されていて、せめて短大を卒業するまでは勉強に専念することという約束を守り、卒業してから仕事を始めました。でも身長が162㎝しかないので、ファッション系のモデルは難しいと比較的早く気付くことに……。もちろん身長の問題だけではなく、雑誌はタレントさんだったり綺麗な方が大勢いらっしゃいますし。ただ現場では「お肌がキレイ」と褒めていただくことが多かったので、美容系のモデルを仕事に出来たらいいな、という気持ちが芽生えて。
――美容系のモデルさんっていうのは、例えば『VOCE』のような美容に特化した雑誌とか、ファッション雑誌のメイクページとか?
海老沼 はい、もともと美容が好きだったので、メイクページは嬉しかったです。
――最初の撮影って覚えていますか?
海老沼 CMに関わるお仕事でした。照明や撮影の準備作業のために、女優さんの代理として立ち位置などを確認する「スタンドイン」として、現場に出ていたと思います。リハーサルみたいなものですね。事務所に所属した最初の頃は、スタンドインばっかりやっていましたね。
――パーツモデルに転向するきっかけというのは。
海老沼 いろんな撮影に行っている中で……最初はおまけでやっていました。
――おまけですか?
海老沼 パーツではなく、モデルとしてのお仕事で撮影に行った現場で、手がアップになるカットが必要になったんです。パーツモデルは呼んでいなかったので、「この現場にいる人の中で、一番きれいな手を使って撮りましょう」って流れになって、私がそれを担当することになったんですね。蓋を開けるだけのシーンとか、そういう一瞬のシーンをやりました。その後、パーツモデルのオーディションに呼ばれるようになったり、エントリーしたりするようになり、今年でおおよそ7年ほどになります。
――お仕事の頻度はどれくらいなんでしょう。
海老沼 撮影頻度は、多い時でも月に2本くらいだと思います。とはいっても、オーディションから、衣装があればカメラリハーサル、そして、同じ商品でもCM用や商品のカタログ用をセットで撮影したりとか、その時にまとめて色んなパターンを撮影したりするので、1本で2日間かかったりとかもありますね。
――パーツモデルのオーディションは、どんなことをするんですか?
海老沼 大体は絵コンテを見て、この画を撮影するので、同じようにポージングをやってください。ということが多いと思います。あと、CMや広告で使うパーツの状態、肌の調子など、パーツモデルとして求められている条件をクリアしているかチェックしてもらう「肌見せ」というものをします。
――オーディションって、結構あるんですか?
海老沼 たくさんあります! 脚や手や背中以外でも、このパーツはどうですか? この部分どうですか? みたいな感じで・・・・・・出来る範囲で全部受けています。色んなパーツをやりますね。