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映画『もののけ姫』が映し出す、女性や病気のある人を排除する日本社会

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うつりん「サンは山犬に育てられて人間離れした存在として描かれているし、犬の毛皮を着てるうつね。『犬神が憑依した精神病者』のメタファーとしては完璧すぎて、偶然とは思えないほどうつ。けれど、たしかサンは山犬にいけにえとして差し出された女の子という設定だったうつ。だから、サンが精神病者かどうかよりも、排除されて人間の社会では受け入れてもらえなくなった子としての象徴的側面のほうが大事なんじゃないうつか?

どちらにせよあの映画は、ハンセン病の人たちや女性が職を与えられて活き活きと働いている姿を描いているうつでしょ。古来からの悪しき風習で『穢れ』を持っているとされて社会から差別を受け、いじめられてきた病人や女性が、どう世間に居場所を見つけていくかがテーマであることは間違いないと思ううつ」

夢子「人間社会にはまったく居場所がないし戻りたくもないサンと、差別されててもなんとか人間社会に居場所をみつけてそこで生きていこうとする人たちの対比、みたいな? 現代でも差別がきついから、女性や病気の人が雇用されたり社会に居場所をみつけるのはたいへんだもんね~。私も、たたら場で雇ってもらいたいよ」

うつりん「『もののけ姫』は約20年前の公開だけど、女性の貧困や失業率が高まっている現代においてはなおさら見直したほうがよさそうな映画うつね」

※1 『【現代語訳】呉秀三・樫田五郎 精神病者私宅監置の実況』(訳・解説=金川英雄・医学書院)より

(大和彩)

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