サークルクラッシャーの顔は“中の下”なのか?
同一コミュニティ内で複数の色恋沙汰を起こし、人間関係を崩壊させる「サークルクラッシャー」。現代的な悪女の一類型として、フィクションの世界でもたびたび登場する存在だ。
筆者は、以前からその存在に興味を持ち、サークルクラッシャー本人、もしくは被害にあった人たちに接触し、話を聞いてきた。サークルクラッシャーに多数遭遇したことのある女性によれば、彼女たちのルックスは「顔は中の下くらいだけど、化粧と雰囲気づくりが巧妙」とのことだったが、実際に会った彼女たちの印象は、男の筆者からすると、“中の下”よりもずっと魅力的な女性に見えた。そこが彼女たちの恐ろしいところなのかもしれない同性から見れば“中の下”であっても、男を魅了する演出力が彼女たちには備わっている。
また、前回も指摘したが、複数の男を落とすためには、男に「俺でもいけそうな気がする」と思わせる必要がある。当然、たいがいの男は美人が好きなのだが、あまりに美人すぎると萎縮してしまうため、美人であることと、モテる女であることは必ずしもイコールにならない。つまり、モテる女は美人であっても、男に「俺でもいけそうな気がする」と思わせる隙を持っている。そこらへんの按配を絶妙についてくるのが、サークルクラッシャーの特徴なのである。彼女たちは、バカな男に、バカな勘違いをさせるのが天才的に上手い。
そういう意味では、むしろ“中の下”くらいのほうが丁度よく、「世界中で俺だけは、この子の魅力がわかっている」という壮大な夢を男に見せるのが、彼女たちの特技でもある。
今回は、著者が取材した実在するサークルクラッシャーのエピソードを紹介していこう。