<吐きそうなネットビジネス編>
【1】低賃金で独身のまま、この先50年生きていくという絶望を直視できなくて、ネットビジネスを模索しているキュウ
【2】アダルトアフィブログは本当に儲かるのか? しQちゃんがそれなりに頑張った結果
【3】洗脳動画に騙されるなキュウ! 入会30万「儲け方」を教えるネット塾の全貌
【4】「信号待ちの時間を使って月40万稼げるビジネス」を信じてしまった愚かなしQ
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あたしは、クレジットカード3回払いで17万円の情報商材をついに購入してしまったキュウ。このとき、クレジットカード払いを選択したのが不幸中の幸いだったと後々知ることになるキュウ~。
入金すると、メールが届き新たなメッセージの動画が。「入学ありがとうございます」から始まり、今入ったクラスよりも、もっと手厚い待遇を受けれるコースがあると説明。その特別クラスはだいたい50万円、さらにその上をいく超手厚い待遇のパートナークラスは100万円という案内の動画だったキュウ。
お、お、おぞましい……! 入金した途端に、さらなる入金を呼びかける仕組みキュウ。特別クラスいいな~なんて一瞬思ってしまったあたしは、Z信者一歩手前キュウ。貧乏なおかげでこれ以上の入金を防げたキュウ~このときばかりは貧乏に感謝キュウ。
そして、「明日から8日間に渡って準備段階のメッセージ(動画)を送ります」とのこと。
翌日、メールが届きZの挨拶動画(2分弱)が掲載されていたキュウけど、今までの動画で見たZとは雰囲気がうってかわってヤバかったキュウ!
視線はカンペを読んでいるかのような感じで、しかも! 髪の毛がかなりボッサボサなんだキュウ!!!
今までの動画では良いスーツを着て、カメラの向こうの見込み客に向かって熱く熱く語りかけていたのに、入金した途端にこの有様……。あたしは、彼のボサ頭を見て不安が募ったキュウ。だけど、入金した翌日だから、まだまだ信じたい気持ちは強かったキュウ。
翌日届いた動画では、髪の毛は元に戻っていて安心したキュウ。最初はマインドセットの話やビジネスを始める前にクレジットカードを持っていない人はデビットカードを作りましょう、などの事前準備の話が語られていたキュウ。その後は、○○のアプリをダウンロードしましょう、などの具体的な話に。指示通りいくつかのアプリに登録し、最後の8日目にはZが運営する会員のみ閲覧可能なポータルサイトへの登録。ここまでの動画全てZの視線は定まっておらず言わされてる感が満載だったキュウ……。
ポータルサイトにはまだ全然情報が載っておらず、Facebookのグループページで情報を先に掲載していくとのこと。会員のみ閲覧できるFBページを作ってあるらしく、そこに申請してZの言葉を享受するらしいキュウ。
FBのほうでは毎日更新されていて、まずはアプリに登録しましょうやら、登録したアプリで普通にショッピングをしてみましょう、という入門編のことから更新されていったキュウ。あとは、お得意のマインドセットの話などキュウ。そして語尾には絶対「God bless you!」
次に、○○のアプリで自分で好きな商品を選び、パシャッと撮影したものをメルカリのアプリに登録してみよう、とのこと。○○のアプリの写真をそのまま使うのは、無在庫販売がバレてしまうので写真加工アプリで自分なりに加工しましょう、と。自分のショップの名前を考えて、そのショップ名を入れるのがいいですよ、と。
あれ? 入金前の動画で言っていた、Zが提携する企業からの仕入れじゃないのキュウ?? Zがあたしたち生徒を企業に紹介してくれて、その企業からあたしたちは仕入れが出来るもんだと勝手に思っていたけど、仕入れ元のアプリには無断で写真を使用してメルカリに出品する内容なのキュウ……?
あたしが脳内で勝手に良い方向に解釈してしまったのが元凶だけど、17万(しかも元の値段は34万)払ってまで知る内容キュウ……?
そんな疑問を抱きながらも、Zの言う通り実行してみたキュウ。まず、商品を選定して、それを撮影してから加工アプリで加工する。そして、商品説明文を書いて(コピペコピペ散々言ってたけど、定型文は自分で考えましょう、とのこと。用意されてるんじゃないキュウ!?)アップするまでに、かなりの時間を費やしたキュウ~~~。これって、あたしがトロイだけキュウ……?
他にも、気になることが出てきたキュウ。Zが情報発信しているFBページにて、Zが投稿した内容に他の会員が質問コメントを出したときの返答が割と高確率で高圧的な態度なのキュウ。
「自分で調べてください」
「そんなこと言ってたら、いつまで経っても稼げないままです」
「ここは学校じゃないんです!聞く場所を間違えてる」
手取り足取り教える学校を謳ってたんじゃねーのかキュウ? 入金前の動画の数々で見せた田舎臭いほっこりおじさん感はゼロ。
おまけに、他の会員との交流を禁じていた節があったキュウ。普通、会員同士の交流は勧めるキュよね? お互い情報交換して(みんな大金を払った同士だし)みんなが稼げるようになったらいいじゃん! キュウ。
Zとのオフ会の告知もFBページであったけど、覗いてみると先着10名、しかも会費が3万円……。良い場所でのお食事会らしいのだが、あんな高額を入金させた上にたんなるオフ会で3万円を払わせるなんて。高額会費を請求するなら、スペシャル特典にオフ会参加権! なんて書くなよ、バーカ!!!!
と、思いつつも、3万円払ってでもZという人物がどんな野郎なのか、この目で確かめたくなりZにFBのメッセージを送ってみたキュウ。
「初めまして、通常クラスに入ったしQと申します。Zさんにご享受頂きたく、クラスに入りました。オフ会に参加したくメッセージを送りました。いつ頃詳細は出ますでしょうか?」
これに「追々FBで更新します」といった、あっっっっさりとした返信が。高額を払って自分の商材を買った人に対する態度キュウ? あたしがZの立場なら「この度は通常クラスに入って頂き、ありがとうございます。一緒に頑張っていきましょうね!」ぐらい挨拶程度に送るキュウ!!!!
さて、そうこうしているうちに、FBページで、会員が「他アプリから無断でメルカリに出品するのは規約違反ではないか?」との疑問をZに突きつけたキュウ。調べてみると、メルカリでは手元にない商品を出品することは規約違反と書いてあるじゃない~~か!
写真の無断転載の時点でグレーだなぁと思ったキュウけど、非常にブラックなグレー行為だということが発覚。あたしは、この時点で自分が出品した商品を消去したキュウ。売れていなくて良かったキュウ~~~。
ってか、この質問にZの野郎はどう答えるキュウ??? なんと、「リスクが怖ければ、手元に仕入れて売ればいい」との答えが…。こ、こいつ……。
「完全クリーンな合法。リスクなし、資金必要なし」をあんだけ謳っといてこれかよ、クソ野郎!!!!
しかも、FB上では「月に1000出品目指しましょう。そんな簡単なノウハウではありません。少なくとも半年は頑張りましょう!」と投稿されてあり、「信号待ちの3分でできる。初月40万円。再現性100%!」と言っていたのは、幻だったのキュウ?
そして月1回の対面セミナーの案内も無し、ひと月経とうとしていてもマニュアルが完成しないまま月日は流れたキュウ。
そんなある日、知らない女性の名前からFacebookのメッセンジャーにメールが一件来たキュウ。誰キュウ? なんて思いながらメールを開くと、「Zのクラスに入った者で、あまりにも誇大広告過ぎて騙されたと思っているので返金運動を起こそうと思っています。賛同して頂ける方、交流したいので賛同でしたらグループメールに追加致します」。
キュキュウ~~~~!!! あたしと似たようなこと思っていた人が他にもいるキュウね~~~!!! 1人で「騙されたかも……」って悩んでたあたしに一筋の光が舞い込んで来たみたいだったキュウ。とりあえず賛同、ということで返金を求める人たちのFBのグループメールに追加してもらったキュウ。
Zが会員同士の交流を禁じていたにも関わらず、Zが立ち上げた会員のみが見れるFBページのおかげで会員同士がこうやって結束し始めているキュウ。皮肉なものキュウってか、Zの詰めが甘いキュウ。
グループメールに追加してもらった途端に嵐のようなメールの数々。参加している人の数は相当多いみたキュウ。返金運動のリーダーとなっている、あたしにメールをくれた女性はOさん。Oさんは、詐欺罪(刑法246条)などの法律を幾つか挙げ、誇大広告と実際の相違点を細かく挙げ物凄い文字量で、あたしたちに説明をしてくれたキュウ。うぅぅ、全部読み切れないキュウ……しかも、読んでも法律に関してはチンプンカンプンキュウ……。
すでにOさんはZ本人や事務所に対してクレームを申し立て、そのおかげでZからFBでブロックされ、FB会員ページも見れなくなっているそうキュウ。少なくとも17万払ってるのに、クレーム言っただけで会員ページ締め出すって!!! あたし以外にもどんどん賛同者が増えていき、いつの間にか大人数のグループメールとなっていったキュウ。その中には「僕もブロックされました」という人がチラホラ。
あたしは、この返金運動のグループメールに入ったことをきっかけに、自分でも少し考えて、まず法テラスに電話をしてみたキュウ~。法テラスでは、「そういう悪徳なところに直接返金を求める抗議をするのはかえってよくない。そもそも話を聞いてくれないから」と言われたキュウ。悪徳なところは、どこまでいっても悪徳なのキュウね。
それをグループメールで送信したら、Oさんから「しQさん、大丈夫です。私は何度も裁判せずに高額塾から全額返金を勝ち取ってきたので、ご安心を。しっかりと論理的な文章で攻めればOKです」と心強いレスポンスが返ってきたキュウ。心強い一方で、「何度も」に疑問を抱いてしまったキュウ。他のメールを見てみたら、Oさんは過去に5回高額塾から返金を勝ち取ってきたそうみたいなんだけど、そんなに何度も騙されているのに、また高額塾に入金するのはなぜ……?
Oさんが「とりあえず返金運動に賛成の人を今一度確認したいので返事を下さい。賛同でない場合と返事がない場合はスレッドから削除します」と、こちらを焦らせる投稿をしたから、あたしは訴訟に参加する気はないけど返金には賛同だから一応賛同との意志表示をしといたキュウ。
すると、賛同を表明した人の名前が、Oさんが作成した書類データの中にズラッと羅列してあり、当然その中にはあたしの名前も入っていたキュウ。
でもあたし、そりゃ返金は求めたいけど、グループメールの参加者の人の冷静さに欠けたコメントが飛びかっていたことに結構引いていたキュウ。リーダーのOさんの熱量はリーダーとして引っ張っていかなきゃいけないから仕方ないにしろ、参加者のおじさん方の口が悪くて、いい歳してこんな罵詈雑言を、顔も知らない人達のグループメールで書けるなぁ~~とか思っちゃたりしたからキュウ。ただ、グループメールの中にはパートナークラスの人も居て(約100万円支払っている)、その人までもが返金運動のメールに参加しているって可哀想すぎるキュウ。そりゃ罵詈雑言も吐きたくなるだろうけど……キュウ。
その後、各メンバーたちが返金を求める書類データをZの事務所に郵送したことで、あたしもFBの会員ページからブロックされたキュウ。書類の中の賛同者リストにあたしの名前が入っていたから、Z側から一方的にブロックされたっぽいキュウ。実際にブロックされると、17万払っといて何の情報も受け取れないままキュウ!? と腸が煮えくり返ってきたキュウ。
そして数日後、Zからの一斉メールが届いたキュウ。
「Oさんという人が返金運動のグループを勝手に作っています。この方は、こちらの調査では、正式に講座にお申込みされた方ではなく、Facebookで不正アクセスをし会員になりすましている方で男性です」
どういうことキュウ……。このZからのメールは一斉送信で他の人のところにも来たらしく、Oさんがメール内容への弁明をしたキュウ。
「ややこしいことになるので、今まで言っておりませんでしたが、私は男性で、このFacebookアカウント名は母親のものです。Zの商材は母親と一緒に購入しました」
Zも意味わかんねえしOさんも正体不明だし、とにかく面倒くさいキュウ……。母親と一緒に情報商材を購入するとか、母親のFBアカウントを共有してるとか、それがもし本当なら母親との距離近すぎじゃね??? てか、それも嘘かもしれないし、母親なんてすでにこの世にいないかもしれないし、母親とセットで5回も騙されてるんならもうヤバすぎるし……って、一度騙された愚かなあたしが見下せることでもないけど……キュウ、もう疲れたキュウ……。
グループメールで何人かの人が消費者相談センターに相談している、と書いてあったのを思い出し、ダメ元で消費者相談センターに電話をしてみたキュウ。電話に出た女性は、とってもクールで淡々とあたしを質問攻めにしたキュウ。
情報商材を買ったけど内容が誇大広告過ぎて違うという内容から、Facebookの投稿でのこと、返金運動がFBメール上で行われていることを説明したキュウ。
結果、「その返金運動のグループに乗っかるのはよくない」「集団で何か起こしても返金はされない」と言われ、「今一度どうするか考えますキュウ……」と意気消沈して電話を切ったキュウ。
続いてクレジットカード会社にも電話をしてみたキュウ。事情を話すと、カードの引き落としをくい止めることは不可能に近いと言われ、これまた意気消沈したキュウ。
全てはあたしの甘さが招いた現状なのキュね……。大金を出せば、絶対稼げるノウハウを教えてもらえるだろうと疑うこともしないで入金し、返金運動に誘われてほいほいと参加し、これだけの人数が集まって「返金してくれ!」と言えば絶対返金されるっしょ、的な考えでリストに名前を掲載することを許可し、一切なんの役立つ情報ももらえないままFBでブロックされ、今に至る。全て、自分で努力することから逃げてきた代償なんだな……と自分の人間としての甘さを突きつけられた気がしたキュウ……。
その間にも、返金運動のグループメールは盛んで、メルカリや他のアプリに通報した人や、警察に相談に行った人、Zの事務所に乗り込もうか悩んでる人、など各々活発な動きを見せていたキュウ。翌日になっても、グループメールは賑わいを見せている。あたしは、ボーッとその様子を眺めているだけだったキュウ。
そんな中、知らない番号から電話がかかってきたキュウ。電話に出ると昨日話をした消費者センターの女性からだったキュウ。その女性はYさんという名前で、冷静にZへの返金申し立てをすることを勧めてくれ、「しQさん、やりましょう」と優柔不断だったあたしの心をグイグイと後押ししてくれたキュウ。もう、後には引けない状況になっていったキュウ……。次回、消費者相談センターの巻!