10月期のドラマが続々とスタートしている。今月14日に放送が始まった菅野美穂主演のドラマ『砂の塔~知りすぎた隣人』(TBS系)は、出産で仕事を休止していた菅野美穂の復帰主演作(朝ドラにも出演しているので大忙しだ)、そして主演格の松嶋菜々子が脇に回ること、2クール連続でのドラマ出演であることなどが放送前から話題になっていた。東京と思しき街に建つ豪華なタワーマンションを舞台に、その裏に渦巻く悪意を描くという同作。タワマン・子持ち主婦・悪意……といった設定だけ聞くと、『名前をなくした女神』(フジテレビ系/2011)や『マザー・ゲーム~彼女たちの階級~』(TBS系/2015)などの過去作品を連想しがちだ。二番煎じの懸念もなくはなかった。しかし蓋を開けてみれば、ものすご~~~く怖いサスペンス! 特に視聴者が釘付けになったのは松嶋菜々子の演技だった。世間からは「松嶋さんがすんごい怖すぎるんだけど!」「松嶋菜々子、登場シーンからずっと恐ろしい……さすがだわ」といった感嘆の声が続出している。
同ドラマは菅野演じる高野亜紀の家族が、憧れのタワーマンションに引っ越してくるところから始まる。豪華ホテルのような設備の整ったマンションでの新たな生活に心躍らせる一家だったが、それも束の間。住人の“セレブ主婦”たちが勝手に作った驚きの“タワマンルール”に巻き込まれてしまう。子供同士でさえ低層階の住人は高層階の人々に見下されて然るべきという「フロア差別」や、誘われたら参加しないと村八分にされてしまう一回5,000円もする「地獄のランチ」など、さほど高所得の家庭ではない高野家には負担がのしかかる。
第1話では亜紀が、上の階に引っ越してきたばかりだというフラワーアレンジメント講師・佐々木弓子(松嶋)と出会う。優雅で上品な容姿にも関わらず全く偉ぶることのない彼女に惹かれた亜紀は、幼い娘を連れて弓子の家を訪ねるようになる。本音で話せる唯一の友人ができたと喜ぶ亜紀だったが、この弓子が時折見せる素顔が恐ろしすぎるのだ。
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