インタビュー

えろ漫画家ピクピクン☆先生、 「コミュ障でも、自分のやりたいことだけを仕事にしてお金を稼ぐってほんとに可能なの?」

【この記事のキーワード】

ーー結婚されてもハグ屋やトークライブは続けられますか?

「たぶんこんなこと、あと5年もやっていられないと思ってます。ジジイになったら、お嫁さんと一緒に田舎に移住して、スローライフを実践したいです。僕はお米を作って、お嫁さんには家にいてもらって。そういう田舎のステキな現代版スローライフラー(※ピクピクン☆さんの造語?)をできたらな。それを求めてくれる女性と出会えたらなと思っています。

僕は結婚したら、ハグ屋はしません。ファンの人は大切ですよ。でも、これは当たり前ですけど、お嫁さんって世界一ですから。世界一のお姫さまですから、ちょっとでも泣かせちゃいけないと思うんです。結婚してお嫁さんが『ハグ屋やってもいいよ』といってくれたとしても、実際にやったら、絶対悲しむと思うんです。だからしません。ほかのビジネスモデルを考えます。トークショーも、わからないですね。完全なる漫画家に戻っちゃうかもしれないです」

人は順応し、進化する

 最後にとても印象的なことをピクピクン☆さんが言っていたので紹介します。

「僕、栃木県から愛知県まで700㎞歩いたことがあるんです。その時は別れた彼女にプロポーズするために、っていう純粋なモチベーションが僕にありました。1日目で膝を壊したんですけど、休んでる暇はないので次の日も歩きました。するともっと痛くなって、やがて歩けなくなっちゃったんですけど、ある日、熱海を超えたときに急に歩けるようになったんです。痛いんだろうなあって思いながら漫画喫茶で目覚めたら痛くなくて、『あれ、曲がる、歩ける』って。

そのときに思ったのは、人って順応するということ。やばいと思ったから、自分を変えるわけです。えら呼吸から肺呼吸に進化するまでに何万年とかかりましたけど、それって、もしかしたら何万年もかける必要ないのかも。空想ですけど、空を飛ぼうと思ったらきっと羽根も生えるんじゃないかなって思います」

「空を飛ぼうと思ったらきっと羽根も生える」というピクピクン☆さんの言葉で、私はナスカの地上絵に関するある説を思い出していました。その説によると、古代人は空を飛ぶ方法を知っていて、その能力のおかげでナスカの地上絵が描けたのだとか。現代では用途不明なあの地上絵は、古代人が空高く飛んでいるときに鑑賞することを目的として描かれたのだそうです(本当かどうかは置いておいてください)。

 ピクピクン☆さんの特徴は、人間の持つ根源的な欲求の肯定にあると思います。それは、古代の時代から人間が持ちつづけている(けれども現代ではあまり使う機会のない)潜在能力を信じるということでもあるのかな、とふと思いました。現代の日本社会が未曾有の不況に襲われ、これまでにない閉塞感に覆われているなか、ピクピクン☆さんの言葉がこれほど鮮烈に心に刺さるのは、そういう理由からなのかもしれません。

生きづらいと感じる女性たちへ

ーー悩めるmessy読者の悩める女性たちに一言お願いします。

ピクピクン☆先生

また会いましょう

「僕、偉そうなこともいろいろしゃべってしまいましたが、悩める女性たちに一言いうんだったら、単純にこれかな。僕、次生まれ変わったら女性がいいです。だからいま女性のみなさんがうらやましいです。

ーーなぜそう思われるんですか?

「最高ですもん! 女性が! 本当に。女性にとって生きにくいシーンも世の中にあるとは思いますが、女性ってだけで、もう……なんでしょう。感謝するべきだと思いますよ、女性に生まれたことを。『よかった男じゃなくて』みたいな。

 男も面白いですけど、僕は絶対、次、女性がいいです。だからこんな僕にそんなこといわれて女性が自信がもてるかどうかわかりませんけど、僕は『女性のほうが、絶対幸せだよ。気づかないだけだから、みんな自覚しな』っていいたいです」

ーートークライブの最後では、観客のみなさんと一緒に「まんこ」と叫んで終わりますよね。本日も、最後に「まんこ」で締めますか。

「今日はありがとうございました。えー、それぞれに、世界最高の名器がついておられることと思います。それに触れられる男性は幸せな人だと思います。

 そんな女性のみなさん、言葉をそろえて、いまモニターの前で小声で一緒に叫びましょう。人を笑顔にする魔法の言葉です。世界で最高の3文字。これ以上の言葉はないです。いくよ? せーのっ、まんこ☆」

 

(川寄ふう)

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