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女性器コンプレックスはどうして生まれるか? そして、その解消法とは?

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 自分の性器にコンプレックスがありますか? と問われ、「ある」と答えた女性は全体の58%。『女性器コンプレックス 愛する人と交われない女たちの苦悩』(幻冬舎)は、そんなアンケート結果からはじまる1冊です。

 私も、自分の女性器についてコンプレックスがあります。いつ、どのようにしてそう思うようになったのか? と、ふり返ったところ、原体験は小学生のときにありました。私は成長が早めで、アンダーヘアも早々に生えはじめました。当時、同学年の友人たちとスイミングスクールに通っていましたが、その子たちには生えていないのに、なんで私だけ。そのうちワキにも毛が生えてきましたが、誰もその処置について教えてくれず、水着になるのがイヤになり、スイミングスクールは辞めてしまいました。親にもほんとうの理由はいえませんでした。

 それと前後して友人から借りた少女漫画に、思春期にさしかかった主人公が風呂場で自分の性器をのぞきこむ、というシーンがありました。彼女は「私の身体にこんなヘンなものがついているなんて!」と驚くのですが、これは私にとっても衝撃でした。「そのヘンなもの、私にもついているの?」「ヘンって、どうヘンなんだろう?」……でも、見る勇気はありません。ヘンなものを見る以前に、アンダーヘアに縁取られはじめたアソコは私にとって、とっくにタブーとなっていたのです。

 そこから時間が経って初体験を迎えたとき、お互いの経験不足から暗闇で探りあうだけではうまく挿入できず、相手の男子から「見せて」といわれました。「ヘンなものを見られてしまう!」と反射的に思ったのですが、断ることもできず、おそるおそる脚を開き自分のアソコを初めて他人にさらしたわけです。そのときの羞恥たるや……。消えてしまいたいかった。コンプレックスの有無にかかわらず、身体のなかでもっともプライベートな部分を見られる羞恥心は誰にでもあると思います。しかしそのときの私は、彼に「ヘンなの」といわれるのではないかとヒヤヒヤしていたのです。

見られたくないから、恋もできない。

 結局そんなことは言われないまま、目で確認した彼によって無事に私の貫通も終わりましたが、「私の性器は、きっとヘン」というコンプレックスは消えるどころか、ますます醸成されていくことになります。

 さて、同書によると女性器コンプレックスの具体的内容は、1位:臭い/2位:黒ずみ/3位:小陰唇のひだが大きい、あるいは長い/4位:膣のゆるみ、5位:毛深い/6位:処女膜がない(再生したい)……だそうです。わかる~。私は「黒ずみ、小陰唇」ですかね。ヘアは脱毛しましたし、毛がなくなれば臭いはかなり解消されます。デリケートゾーン用のソープも使えば、気になりません。

 著者の喜田直江さんは婦人科形成の専門医で、これまでのべ3000人以上の女性器にまつわる悩みを解消してきたといいます。人に相談しにくい悩みであるだけに、ひとりで抱え込み、悩みが深まる一方の女性たち。女性器を見られたくない一心で、異性との交際や妊娠、出産をあきらめた女性、婦人科検診にもいけない女性がいるそうです。

 人生にも健康にも多大な影響をおよぼす女性器の悩みですが、交際相手から「ヘンだ」と心ないことをいわれたり、相談した男性医師(なかには女性医師も)の無理解によって傷ついたりして、ますます悩みが深刻化するケースがいくつも紹介されていて、読んでいて胸が痛みました。

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桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

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