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やらせ・印象操作常習犯ディレクターの悪事を暴け! 苦戦中のメタ芸能界ドラマ『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』第5話レビュー

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『潜入捜査アイドル刑事ダンス』公式サイトより

『潜入捜査アイドル刑事ダンス』公式サイトより

初回の2.0%以降、1.6%、1.4%、そして10月29日放送の第4話視聴率1.0%と、深夜とはいえ苦戦中の『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』(テレビ東京系)。

「太陽にほえろ!」を髣髴とさせる熱血刑事ドラマ「漢!刑事泣き虫」に憧れて刑事となった辰屋すみれ(中村蒼)が配属されたのは、表沙汰に出来ない芸能界内部の事件を取り締まる「警視庁特殊芸能課」。元詐欺師・黒澤裕也(大東駿介)、元子役・星輝男(森永悠希)、元ひきこもり・境章吉(横浜流星)、バカ・出川てつや(立花裕大)とともにアイドルグループ「デカダンス」を組み芸能界に潜入捜査する、というのが本ドラマのストーリーだ。

第4話までに「炎上」「裏社会」「ひな壇芸人のお約束」「不倫スキャンダル」など、テレビや週刊誌で見かける芸能界あるあるを揶揄してきた「メタ芸能界ドラマ」の本作。先週の11月5日に放送された第5話が取り上げたのは「盗作」「やらせ」で、今回も随所に小ネタが散りばめられていた。

第3話で「逃走中」ならぬ「炎上中」に出演し、人気音楽プロデューサー・高也タカナス(マギー)とのコネを得たデカダンスは、デビュー曲「終われないダンス」をリリース……したものの、すぐさまローカルCM「桃太郎やきそば」の楽曲にそっくりだという盗作疑惑がかかる。この疑惑を取り上げたワイドショーは(レポーターは阿部祐二)、「音楽をつくるのに特別な才能はいらない」「先人の偉大なアーティストに感謝」「いつもありものでチャチャっとつくっちゃいますね」と語る高也タカナスの姿を流す(「これは時代が作り上げた抗えない“性”なのか」と締めくくるあたり、安易に時代や世代のせいにしたがるワイドショーらしさがよく出ている)。

訝しがるデカダンスにタカナスは弁解する。「『特別な才能はいらない』は『チャンスはみんなにある』ということ」「『先人に感謝』は『音楽がそれだけ好き』ということ」「最後にいたっては、お蔵入りされた料理番組で、本来はフライパンを持っていたのにそれが消されている」と。そう、これは番組ディレクター・桐崎リョウジ(古舘寛治)の強引な編集によって行われた印象操作だったのだ!(あまりに楽曲が酷似しているので、いまいち信用できないが)

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