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売り出し中のヤリチンアイドルを襲ったのは誰だ!? 芸能界揶揄が足りない『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』第6話レビュー

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 大空の演技が大根なのは、アイドルが主役のドラマにありがちなのだろうし、視聴率が芳しくないドラマにてこ入れが入って支離滅裂になるというのは、ありそうな気がする(今回は監督の暴走だけど)。「南風11」はそのままAKBGで、アイドルグループが集まったドラマが作られているのも知っている(そもそも『刑事ダンス』の前クールは欅坂46による『徳山大五郎を誰が殺したか』というドラマだった)。それらが今回描かれた「あるある」なら、過去の話に比べて圧倒的に揶揄が足りない。メタ視点に立って、茶化している感じがないのだ。その点がもったいなかった。

 またアイドルの演技が下手糞というのもあまりのれなかった。筆者は映画なら比較的よく見る。いわゆる「イケメン」とされている若手の俳優やアイドルが、意外に演技がしっかりしていることは度々あって「目も当てられない!」という作品はあまりないし(マシな映画しか見ていないだけなのかもしれない、いや、そうなのだろう)、そういう作品は大絶賛されなくても、それなりの評価は受けていたりする。

 大空が感情移入したらまともな演技ができたように、アイドルも配役や作品や環境が整えば、それなりの演技が出来るようになるんじゃないかとも思わされた。「アイドルだから」「イケメンだから」といって、チープな作品に出演させるのは、そのアイドル・イケメンが役者志望だとしたら、とてもかわいそうなことなんじゃないだろうか。「結局顔だけ」といわれるのは、周りじゃなくて、本人だ。そういう意味では、デカダンスのイケメンたちは、ドラマが台無しになるような酷い演技はしていない。むしろうまいほうだというか、けっこうしっくりくる。

 思うに、現時点での『刑事ダンス』の面白さはストーリーにあるのではなく、芸能界を揶揄する「あるある」ネタにある。今回はその「あるある」ネタが弱かった。今回もメインストーリーに関連する情報は様々出てきていた。デカダンスが『魅!ボンクラ学院』に出演するきっかけは、大空が襲われたあと、大手芸能事務所ライトニングボルト(本作の黒幕と思われる神堂栄一が会長の事務所)の看板アイドル・ファルコンが降板したからだし(そういえば事件が起きた後、看板アイドルは守られるけど売り出し中のアイドルは守られない、というセリフがあった。これもあるあるなのか?)、第5話同様、デカダンスのマネージャー・島崎進(野間口徹)が最後に怪しげな行動を取っていたのも、メインストーリーに収束されていくのだろう。だが今のところ、これらはあくまで伏線でしかなく、メインストーリーが大きく進んでいるわけではない。今後、物語が大きく展開されたとき、「あるある」ネタがなくなってしまったら、このドラマを面白く見ることができるのか、第6話をみて不安になった。
(ドラマ班:デッチン)

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