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饒舌な子宮いわく、一番の美容法は「誰でもいいからセックスして、マジイキ」…雑すぎる“メソッド”を広める罪!

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ほっこり系の子宮本も続々と出版

 伝統療法の世界でも、子宮系女子が存在していました。タイの伝統療法〈チネイザン〉と出会い、生殖器に特化したケア(ディープチネイザン)を学び、そこから〈おひさま子宮メソッド〉を考案したという子宮セラピスト井上清子氏です。

 今年6月に発行された『おひさま子宮のまほう』(ワニブックス)のサブタイトルは「カラダの中から免疫力を高め、女性の不調を癒す」です。〈免疫力〉という言葉が、まずはトンデモ系ビジネスの常套句。そろそろほかの言い方、出ないのかな。

 同書は子宮のあたたかなエネルギーに気づくと、生理痛、不妊、更年期、冷え症、肌あれ、イライラなどの不調から解放される。子宮は幸せがあふれ出てくる〈まほうの力〉を備えていると解説。出たよお、子宮万能説。ほっこりしつつも〈女性器を大切にすれば、ココロを体を大切にすることにつながる〉という思想はギラギラ系の子宮系女子たちと同様です。子宮が過去の出来事や感情を記憶しているという〈メモリー装置〉であるという解説は、子宮委員長でいうところの子宮にたまる〈カルマ粒〉でしょう。

 おひさま子宮体操は、膣トレと瞑想を合体させたような印象で、これまたどこにでもありそうなもの。「ジューシー子宮」「干し柿子宮」という造語を使っている点は印象的でしたが、内容が薄い分インパクトあるオリジナルの子宮用語で飾るのも子宮系女子の特徴かもしれません。

 スピ方面では、子宮は精子を取り込むのが最大のミッションであるから、チャンスが来たときによい物を取り込む「磁石のような引き寄せ力」を備えていると解説。これは生殖のチャンスだけでなく、健康・仕事・恋愛・結婚・夢でも発揮されるのだとか。それを言ったら体に必要な栄養を取りこむ胃袋はどうなるんでしょう。その証拠に! と言わんばかりに「おひさま子宮メソッドを取り入れた方からは「彼氏ができました」「結婚することになりました」「赤ちゃんをさずかりました」「長年の夢がかないました」という報告をもらった」とあります。パワーストーンの広告かよ!

 子宮を大事にする方法は、見て触ってマッサージして感謝の気持ちを届けること。これ、もう本当に聞き飽きたので、どなたか新たな子宮メソッドを開発してください。ちなみに、おひさま子宮においても、当然のように布ナプが推されます。同書巻末で紹介されている「満月の日に摘んだ枇杷の葉で染めたオーガニックコットンの布ナプキン」という白魔女めいた商品は、Lサイズ4800円(税抜)。お高い生理用ナプキンであります。

なぜ子宮本が出版されるのか?

 そのほか、当連載で過去にご紹介した子宮擬人化ワークがお得意な、黒川彩子氏の初著書『子宮がおしえてくれる人生を彩るヒミツ~ココロとカラダの対話レッスン』(ギャラクシーブックス)は今年の夏にお目見え。

 この子宮系女子は、その少し前に「子宮の学校」なる講座もスタートさせています。この手の講座報告を見ていると、参加者の顔がバッチリ掲載されているのがとても心配です。もちろん許可は得ているのでしょうが、後でヤバいものに載せられてしまった……! とお困りの方が出てきそうです。

 小林麻耶に接近したことで、今年一気に有名になった子宮系女子たち。広く浅く注目が集まると困ることでもあるのか、一部では高額セッションやイベントを中止するなどの動きがあるようです。そんな動きを見ても明らかに怪しく、しかも個々の主張は今回の書籍を見ても特別女性のためになるとは思えません。子宮系女子本を出す出版社って勇気あるよな‼ というのが、今回の一番大きな感想です。ダイソンの掃除機のごとく〈子宮の引き寄せ力〉とやらに、吸引されたのですね。きっと。

(謎物件ウォッチャー・山田ノジル)

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山田ノジル

自然派、エコ、オーガニック、ホリスティック、○○セラピー、お話会。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のないトンデモ健康法をウォッチング中。当サイトmessyの連載「スピリチュアル百鬼夜行」を元にした書籍を、来春発行予定。

twitter:@YamadaNojiru

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