2回にわたってお届けしてきました〈子宮系女子新刊祭り〉。
▼自立を謳いながら「女の幸せ=結婚」に縛られつづける子宮系女子の不自由
▼饒舌な子宮いわく、一番の美容法は「誰でもいいからセックスして、マジイキ」…雑すぎる“メソッド”を広める罪!
ラストとなる今回は番外編として〈子宮系女子のパートナー〉をクローズアップ! 単なるわがままを〈子宮の声=魂の欲求〉であると正当化する女性たちと、深くつながる男性とは? 前回軽くご紹介しましたが、子宮系女子の恩恵を最も受けているであろう、子宮委員長はる氏の夫・岡田哲也氏が、このタイミングでコバンザメのように処女作を発表しましたので、今回はその内容にスポットを当てていきましょう。
破天荒な子宮委員長はる氏を妻にする男性とは、どのような人物なのでしょうか? 子宮委員長の著作によると、子宮委員長とは風俗嬢時代に客として出会い、その後、父親のわからない子どもを妊娠した彼女と結婚したという設定です。
結婚後は家事育児家計管理妻のご機嫌取り、要は家庭内のこと全般を担いつつ、自らも自己啓発系のセミナーを開催。ブログには職歴はセラピストで、温泉施設や整体院で〈ボディワークを行っていた〉とありますが、具体的にどんな療法をしていたのかはよくわかりません。処女作には、もともと自己啓発系の業界に身を置いていたというエピソードもありました。
子宮委員長と結婚した後に開催するグループセッションは、4時間で15万円。一般的なカルト宗教や子宮委員長が開催する60分10万円の〈お宮様セッション〉ほどではありませんが、そこそこお高いお布施です。そんな背景からでしょうか、子宮委員長はる氏の〈黒幕〉は彼であるなんて表現もネット上に登場しておりました。
しかし……著作を読んだ今「ないない」という感じ。内容が、あまりにもペラッペラ。その薄さは最新技術を駆使してつくられたコンドームのごとし。子宮委員長のおこぼれにあずかっている、という印象でした。
妻の威光で出版できた
カリスマ子宮系女子・子宮委員長の夫・岡田哲也氏の処女作『で、ほんとはどうしたいの?』(ワニブックス)。子宮系女子の謳う〈子宮の声〉を〈肚(はら)の声〉と言い換え、楽に幸せに生きるコツを教えますよという自己啓発本です。
〈肚の声は魂のワクワク。直観的にしたいこと、欲求を知らせるシグナル〉なんだそうです。子宮の声は女性限定ですから、取りこぼしたユーザー=男性も拾っておこうという戦略でしょうか。それにしたって、子宮教をそのまんま流用しすぎ。Amazonのレビューで低い評価をつけている人の意見には「読みにくい」「中身がない」「同じ内容の繰り返し」とありましたが、同書の冒頭にはバッチリ注釈があります。
ちなみにこの本はずっと同じことしか言っていません。でも手抜きではありません。それが何より大切だからです。
そう言って繰り返し謳われるのは、次の方法です。
・とことん感情と向き合うべし。感情を味わいきった後の感情の動きも観察する。そこに本音が隠れている。
・仕事も買い物も何もかも、すべてのことは魂が「ワクワク」するかどうかで決める。
この2点で、以上です。シュチュエーションを変えながら具体例が解説されていきますが、中でも「お金はワクワクするものに使うべし! そのバイブレーションが伝わってお金が循環する」という実例が、すごい。