連載

子宮委員長の夫が便乗して自己啓発本を出版するも、内容が薄っぺら~い!

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 岡田氏が純粋に楽しみに行きたい! という気持ちから長期の海外旅行を計画していたら、これまで援助してくれるそぶりもなかった両親がドバっとお金をくれ、さらに保険や年金の支払い状況を聞かれ、「払ってないよ!」と回答すると父親が全部肩代わりしてくれたそうです。それを、

自分の純粋なワクワクしたバイブレーションが距離を超えて伝わり、なぜか両親までそれを応援したくなるという現実を作ったのだと思っています。

と解説。これがせめて勤務先の上司とか飲み屋で知り合った某社長がポーンとお金を出してくれたという話くらいなら100歩譲って、お金を引き出す力があるのかしら? と思うけど、お、親ですか……。息子が路頭に迷わないよう、ため息交じりに出したのでは。

 さらに「お金へのブロックを外すためにお金を使う」と言い(お金のブロック=無意識にしみついているお金の常識という理解でいいんですかね?)、有料サービスを利用するにも、思い切ってどんどんクラスを上げていくとお金のことが消える瞬間がある、そこにお金の循環を拡大させる何かがあるんだとか。そのまま行ったら、完全にウシジマ君物件です。お金のことが消える瞬間って、単に金銭感覚がマヒしているだけ。

 すべては感情、感覚が最優先で、貯金や収益は幸せとは無関係だから無意味。ワクワクに集中していることで自然に稼げるようになったらそれはOKなんだとか。ちょっとお高いけど、ワクワクするから子宮商法にお金をつぎ込んでね★と聞こえます。ちなみにブランド品を買うにも〈海外セレブが持っているから買う〉のは、社会的なステータスを意識しているからまやかしで、純粋にワクワクするから、好きだからという理由で買うのは魂の喜びなんだとか。よーわかりませんわ。これって単に岡田氏の「セレブに憧れる女だせえ」という価値観であるだけじゃないんでしょうか。

 この調子で子育てやビジネスを語るので、もう手がつけられません。そうそう、ビジネスをはじめるときは、最低限のルールを調べましょう(例・食品衛生責任者とか)という、中学生レベルのアドバイスは一応ありましたよ。

本当にゲスいのは、いったい誰?

 恋愛に言及するパートは、完全に子宮系女子のご機嫌とりです(そりゃそうか)。

 〈愛されるゲスな女〉とは〈自分で自分を満たしたうえで行動している人〉で、〈単なる欲求不満おばさん〉は〈自分で自分を満たしていないから外側に向かって吠えている人〉の違いなんだとか。ここで言う〈満たす〉とは、3大欲求のこと。〈好きなものを食べ、体を冷やさず、オナニーや膣マッサージで女性としての部分にしっかり意識を向けて自分を心地よくすること〉なんだとか。はい、子宮系女子のことですね。

 しかし満足していても金に汚なかったり人の不幸が大好物だったりする〈ナチュラルボーン・ゲス〉ってわりと普通にいません? サンプリング足りていないように思えます。しかも、〈外に向かって吠えている人〉のプライベートをどうやって知るのでしょう。これもまた、〈ピーピー吠えてるおばさんって欲求不満だよね~〉という典型的な古臭い先入観の表れです。

〈泣きたいときは泣こう!〉というパートでは、インド映画『きっと、うまくいく』をおすすめ。そして、

ちゃんと泣いてあげる。弱音を吐いてあげる。そうやって自分の内側を表現した後に身体に感じるものをちゃんと感じていってあげる。その繰り返しによってだんだんと本当の意味での強さを手に入れていくんです

とたたみかけます。浅い……。あ、でも少しだけ、Jポップみたいですね。まだ、涙を流すとセロトニン云々と謳う『涙活(るいかつ)』のほうがマシなレベルかも。

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山田ノジル

自然派、エコ、オーガニック、ホリスティック、○○セラピー、お話会。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のないトンデモ健康法をウォッチング中。当サイトmessyの連載「スピリチュアル百鬼夜行」を元にした書籍を、来春発行予定。

twitter:@YamadaNojiru

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