彼氏がいようといまいと、ビッチだろうと喪女だろうと、どんな女性のもとにも“独り寝”の夜はあります。丸ごと自分だけに使える貴重な時間、ぼやぼや過ごすのはもったいない。オナニー(ONN)、妄想、オトナのオモチャ……明日の、そして未来のエロライフに繋がる“攻め”の独り寝を、独り寝ニスト&バイブコレクターの桃子が提案します。

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「秋のエロカルチャー月間」、最終週です。今回のテーマはアート。といっても私は小学校のころから、全教科のうち図画工作、美術が何より苦手で、通知表でも1をつけられるワ、その絵心のなさで常に周囲を驚愕させるワで、苦手意識がとても強いジャンルです。でも、見るだけなら好き~。しかも、この日本には世界に誇るエロアートがあるじゃないですか! そうです、春画です。
ロンドンの大英博物館では、いままさに「春画-日本美術における性とたのしみ」という展覧会が開かれているようですね(参考記事)。私は学生時代に旅行で立ち寄った程度ですが、あの重厚な空間で、珠玉の作品たちが見られると想像しただけでも、胸が高鳴ります。女体に巨大なタコがうねうねと8本の脚をからませる……。日本ではいまなおマニアが多い「触手」の原点ともいうべき作品を、かの国の方たちがどう見るのか、とても気になります。
ただ作品を展示するだけでなく、春画のルーツをたどったり、検閲の歴史、パロディー作品、ヨーロッパや中国に与えた影響……など、多岐にわたる内容のようです。見たい見たーい! 先述の『蛸と海女』という有名な作品は葛飾北斎の手によるもので、私もナマで見たことはないので、これもぜひ一度この目で……と思うのですが、残念ながら、日本の主要な美術館はどこも開催に意欲的ではないとのことです。
その主な理由が、「子どもへの配慮」。じゃあ子どもに見せない仕組みにすればいいんじゃん……と素人考えながら思うんですけど、それを実現するのってそんなに難しいことなのかなぁ。映画だって、成人映画館でない一般の映画館で、R指定のある作品をかけたりかけなかったりできるんですから、ねぇ?
大英博物館では、16歳未満の入場は保護者の同伴が必要だそうです。子どもへの配慮はたしかに必要でしょう。でも、「ここに描かれているのがはファンタジーだ」と理解しながら性表現を愉しめるおとなの権利まで奪われてしまうのはガッカリです。
春画はもともと庶民の性愛を題材に描かれているので、よく見るとなかなかにドギツい表現でも、漂う雰囲気はおおらかで牧歌的なものも多いですよね。江戸時代に生まれた四十八手にしたって、ユーモアにあふれています。当時の人たちもあれを見て「あはは、これスゲェな。こんなのことするヤツ、いるのかね?」と笑っていたと思うんです。
私はこの春、はじめて神奈川県・川崎の金山神社で行われる「かなまら祭」に行きましたが、これも発祥は江戸時代。性産業に従事する女性たちが、性病除けや商売繁盛を願って開いたお祭りから始まっているとか。男根型の神輿がわっしょいわっしょい練り歩く光景を見ていると、日ごろの小さい悩みなんてバカバカしくなって霧散してしまいます。
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