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グダグダ感が否めないイケメンドラマ/『潜入捜査・刑事ダンス』第9話レビュー

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「初めてメールします。さっきの辰屋くんの話を聞いて軽くパニックになっています。どうかウソだといってください」

 そう、熱心なファンなんてひとりもいないと思われたデカンダンスメンバーだが、そんなことはなかった……ということもなく……

「……だって、私昨日辰屋くんが夜の9時ごろ一人で牛丼屋に入って特盛かっこんでるの見ましたよ。汚いジャージ姿で、どう考えてもこれから女の人と食事にいく感じには思えなかったんですけど、なにを見栄はっているんですか。女と一緒に飯って、スマホで見てたエロ動画のことですか。ただただ不快でした。お願いですからいますぐアイドルなんてやめてください」
「あと数分後に同じ町でテルくんとショウくんもみました。ラブホテルのほうからふたり、汗だくになってでてきました。やけにすっきりした顔でまじで気持ち悪いと思いました」

 一体何をしていたんだよと言い争う中、ずっと沈黙していたD(立花裕大)が口を開く。

D「みんなには内緒だよって言われたけど、オフなのにみんな稽古に来てたらしいね。バレないように時間をずらして、ラブホテル街のど真ん中にある稽古場に通ってたんでしょ。オフ返上で。みんないじっぱりだねえ」

辰屋「悔しいんだよ、出来ないからって途中で諦めるの嫌なんだよ」
テル「売れたいのに意地はってごめんなさい、かまってほしくて解散ほのめかしてごめんなさい」
ショウ「……デカダンスファーストライブin下北沢、……チケットは各種プレイガイドにて販売中です。ぜひきてください……」

 それぞれが素直になったことで、メンバーの亀裂も埋まっていく。「このくらいが俺たちらしいね」、ということで大団円(仲直りするきっかけとなったメールは、裕也が仕掛けたものだったのだがそのあたりは省略)。

 この展開、見ている間はそこそこ楽しめるのだが、振り返ってみると、デカダンスメンバーの空回りで事件が起きる→やることなすこと悪手で問題がややこしくなる→思わぬことで/メンバーが真実を話して好転→事件・問題解決は、「刑事ダンス」お決まりのパターンで見飽きてきた。既視感しかない。こういうどたばたコメディ物語の典型なので仕方ないところはあるものの、メインストーリーがなかなか進まず、メンバーのキャラクターが回を進めるごとに深まるわけでもないと、どうしたってグダグダしてきてしまう。もう一本、何か別の魅力がほしい。その一つが「芸能界あるある」ネタでは、と筆者はこれまで何度も書いてきたが、いい加減メインストーリーをストレートに進めてほしいところだ。

 唯一、次回も見てみようと思えるのは、毎回終盤に匂わされる裏の動きだ。これまで、デカダンスの上司が思わせぶりに笑っていたり、マネージャーが「警視庁警備部特殊芸能課」で何かを探っていたり、裕也が上司やマネージャーに何か小言を言われていたり、と、物語が誰かしらの、何らかの思惑で動いていることが匂わされてきた。

 今回も例に漏れず、地下駐車場に止めてある車の中で神堂の自殺報道を聞いていた裕也が「悪いな、お前らとの約束(5年後に武道館)守れそうにないわ」と呟くシーン、そして「いつまでだまし続けるつもりだ? 自分の私利私欲のために。全部お前だったんだな」と裕也に問い詰めるマネージャーのシーンが描かれていた。放送も残りわずかだ。裕也は何を狙っているのか。そしてその狙いこそが本作品のメインストーリーになるのだろう。
(ドラマ班:デッチン)

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