インタビュー

ベテラン技が光る手作業と、繰り返される検査、万全の品質管理。「相模ゴム工業」工場見学!

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◆ピンホール検査

――「ピンホール検査」とは、どんな検査をしているのでしょうか。

磯部 目に見えない穴のことなんですが、コンドームにピンホールがあってはいけないので、弊社で作ったすべての商品が人間の手によって検査にかけられます。金属で出来ている棒に、コンドームをどんどん被せていきます。ピンホールだけでなく、汚れや傷がないか、皮膜が均一かどうかもチェックしながら被せていっています。

――今、被せているんですか? 片手でどんどん……超早技です。やはり熟練のスタッフの方たちなんでしょうか。

本当に早ワザなんです。まばたきをしている間に被せてます。

本当に早ワザなんです。まばたきをしている間に被せてます。

磯部 そうですね、みなさん20年以上やられているベテランです。1日2万本のコンドームを検査しています。たまに工場見学で体験していただくこともあるんですが、みなさん両手でも全然追いつかないくらいの速度ですね。

――どんな原理なんですか?

磯部 この機械の下部には電気の流れたお湯が張られた湯槽があり、金属に被せたコンドームをこちらにつけていきます。ゴムは絶縁体で電気を通さないので、もしここに潜らせて、金属の棒が電気を感知したら、そのコンドームは穴が空いているということなので、除去されていきます。

◆破裂検査

――続いて「破裂検査」ということなんですが……わざわざコンドームを破裂させるんですか?

磯部 実はコンドームは医療機器なので、欠陥があってはいけない商品です。メーカーごとに検査基準が違ってしまうといけないので、世界中でISO(国際標準化機構)が定めた同じ基準で検査をしております。こちらの「破裂検査」では、コンドームの中に空気を入れて、何リットルの空気が入ったか、そしてどれだけの圧力に耐えられたかの強度を検査します。先程のピンホール検査は、全てに検査を行っているんですが、こちらは同じ条件・同じ原料で作ったものから数本抜き取って行っています。

被せた金属の棒から、空気が送り出されます。

左:被せた金属の棒から、空気が送り出されます。 右:まだ、ニップル(先端部分)が確認できます。

どんどん膨らみ、このあと見事破裂しました。

どんどん膨らみ、このあと見事破裂しました。

――40リットルちょっとで破裂しました。これくらいが基準ということですか?

磯部 実は基準は18リットル入れば合格ですが、弊社のコンドームは40リットル以上入ります。

◆水漏れ検査

――「破裂検査」では、強度を見る検査でしたが「水漏れ」検査はどういったことをするんでしょう。

磯部 ここでは、コンドームに穴がないかを調べる検査になります。コンドームの中に水をいれます。そして給水紙の上で転がして、もし穴があれば等間隔にシミが出来るので、そうなると不適合品となります。

水を入れて遊んでいた男子を思い出します。

水を入れて遊んでいた男子を思い出します。

水の入ったコンドームをテンポよく、かつ丁寧に転がして検査しています。

水の入ったコンドームをテンポよく、かつ丁寧に転がして検査しています。

――手作業でやってらっしゃるんですか?

磯部 一応機械もありますが、機械でやるよりも手作業の方が穴の検出率が高いので、手作業で実施しております。給水紙の上で転がすのも一見簡単そうに見えて、実はすごく難しくて、こちらの検査員の方々も20年以上のベテランです。検査に関しては検査員ごとに基準が違ってしまうと良くないので、社内の試験があり、それに合格された方しかこちらの検査をすることができない、というシステムになっております。

――世界基準に則った検査はいくつあるんですか?

磯部 外観検査・破裂検査・水漏れ検査の3つが全世界共通で行われています。それに加えて、弊社は世界最薄の「001」を出すにあたって検査基準もこれからどんどん進化させていこうということで、新しい検査を弊社独自でふたつ展開しています。ひとつめが、「摩擦試験」といいまして、棒の部分にコンドームをつけて、摩擦試験を行います。行います。どれだけの摩擦に耐えられたか、何回耐えられたかを調べる試験です。もうひとつは、水膨張試験といいまして、コンドームをぶら下げて中に水を入れます。やはりコンドームは先端部分の強度が一番大事なので、先端がどれだけの水の圧力に耐えられたかを試験していきます。

◆チェック&包装

――様々なチェックをクリアしたコンドームたちが包装されて製品となる工程ですね。

磯部 こちらの機械で、個包装にパッケージングしていきます。潤滑ゼリーたっぷりの商品や香りつけがある商品は、こちらの機械でゼリーや香料を充填していきます。

製品になる前の最後のチェック。

製品になる前の最後のチェック。

これも目でチェックしながらのセッティング。速いです。

これも目でチェックしながらのセッティング。速いです。

手作業でセッティングしたものが瞬時にパッケージされて出てきます。

手作業でセッティングしたものが瞬時にパッケージされて出てきます。

希少な商品をいただきました。家宝にさせていただきます。

希少な商品をいただきました。家宝にさせていただきます。

 (撮影/細谷聡)

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