NHKのは紅白出場者選考では、同年の活躍ぶりだけでなく、そういった“繋がり”も重視されている。今年、意外にも紅白初出場となった宇多田ヒカルはNHKの朝ドラ『とと姉ちゃん』に主題歌を提供、いささか唐突に思える紅白初出場・大竹しのぶは、美輪明宏に近いポジションとして出演を請われたようだが、朝ドラ出身であることや長年のNHKへの貢献度を買われたともいわれる。となると、地上波初出演という話題をNHKに献上し、ボーカルTakaの父親・森進一が長年紅白を支えてきたという“繋がり”があるワンオクの出演はかなり現実味を帯びているように思える。ワンオクがステージに立ち、森進一がゲスト審査員席から彼らを観るなんてことがあれば話題性は抜群。若者からお年寄りまで視聴者を獲得できて良いことしかない……というのは浅はか過ぎるだろうか。
だが1つ、懸念がある。ジャニーズ事務所は、ワンオクの紅白出場を阻止すべく動くだろうという点だ。今年の白組司会者に嵐の相葉雅紀が選ばれたことに疑問を持った人は多いだろう。「Yahoo!」で「相葉 司会」と検索すると関連ワードに「なぜ」と出てきてしまうほどだ。順当にいくならば『あさイチ』(NHK)司会ですっかり朝の顔となり、去年も白組の司会を務めたV6の井ノ原快彦が適任。嵐5人、あるいは櫻井翔ならばまだ納得もいくが、よりによって相葉の単独司会とは、どういう意図での決定なのか? 一説には、2020年の東京五輪の顔を嵐にしようと企むジャニーズ事務所側が、強引に相葉を今年の司会にねじ込んだという噂がまことしやかに囁かれている。2020年までに毎年1人ずつ紅白司会を嵐メンバーが務め、2020年には大々的に嵐とNHKがタッグを組み、五輪を盛り上げるという算段だ。
ジャニーズ事務所の“駆け引き”の強引さは今に始まったことではないが、NHKが申し出を断れば、事務所のタレントを紅白に出場させないという強硬な態度も見せているという。SMAPこそ解散となり紅白出演も叶わなかったが、今年の紅白は嵐、関ジャニ∞、KinKi Kids、Sexy Zone、TOKIO、V6と6組ものジャニーズグループが紅白に出演。例年通りの大きな出場枠を確保している。彼らがごっそり抜けたとき、その穴を埋める白組アーティストはおそらく足りないだろう。
ワンオクTakaはそのジャニーズ事務所にかつて所属し、NEWSのメンバーとして活動していた。素行不良による脱退、退所という経緯があるため、ジャニーズ側はワンオクの好調ぶりを快く思わず、彼らのテレビ出演が一切ないのはジャニーズ側の圧力によるものだ、というのが定説。事務所総出で取り組む紅白歌合戦での自社タレントとワンオクの共演など、おそらく認めはしないだろう。それにしても毎年、懲りずに視聴者不在の攻防が繰り広げられる紅白歌合戦……視聴者ファーストの番組づくりをすれば自ずと視聴率も支持もついてくるものだと思うが、しがらみだらけのテレビ業界には無理な注文なのだろうか。
(ゼップ)
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