
「Chef~三ツ星の給食~」公式サイトより
ちょっと意味のわからない視聴率推移を見せてきた『Chef~三ツ星の給食~』(フジテレビ系)、第9話は6.2%でした。第4話で4.9%まで落ち込んでからの、8.0%に盛り返したかと思ったら6%台に下がり、というのを二回繰り返してますからね。まあ数字は別にいいです。回を重ねるごとに面白くなってきて、じんわりハートウォーミングなドラマですよ(数字はすべてビデオリサーチ調べ、関東地区)。
小学校の給食調理チームはすっかり良好な関係になり、生徒たちも給食が大好き。凄腕フレンチシェフであり給食のおばさんである星野光子(天海祐希)の屋台営業も絶好調で、みんな元気、健やかで~す。冒頭、光子を三ツ星レストラン「ラ・キュイジーヌ・ドゥ・ラ・レーヌ」から追い出し料理長の座を奪った元弟子・奥寺(豊原功補)が屋台を訪れ、世界的な料理雑誌が主催するレストランの格付け審査(ミシュラン的なやつね)が迫っているため、光子の残した未発表レシピのコツを教えてほしいと頭を下げるのですが、光子は笑顔で快諾。「私はもっと最高に美味しいレシピをいくらでも考案できる」と自信たっぷりなので、秘蔵レシピのひとつやふたつ、盗まれたって余裕綽々なんですよ。
ドラマとしては波風が立たないと面白くなりません。最終回を目前にした今回のトラブルは、小学校の給食室が廃止になる! というものでした。劇中はクリスマスシーズン手前の時期なのですが、「年内で各学校で調理する自校給食が廃止になり、給食センター(民間委託)に移行する」との通達が入ります。急すぎじゃないですか!?
ともあれその理由は納得のいくもの。地域の他の学校の給食室で老朽化が進んでいること、少子化も絶賛進行中で生徒数が減っているためセンターでの一括調理が合理的であること。うん、じゃあしょうがないよね。光子は「ダメよ、お客様の顔が見えないじゃない!」と強硬に反対しますがどうにもなりません。栄養士で居酒屋経営もしている荒木さん(遠藤憲一)、就職内定済みの大学生バイトであるヒカリ(川口春奈)、屋台が順調な光子はいいとして、調理補助の4人は職を失うことになり意気消沈。ドラマスタート時からこの4人にはそれぞれ、ギャンブル狂、14股の絶倫おじさん、元相撲部屋ちゃんこ担当だがノミの心臓の男、買い物依存症おばさんというキャラクター設定がされており、ポンコツと呼ばれていたのですが、その設定がここでイキてくるんですね。
一方、近々に迫っているのが、残食率ナンバーワンの食材・セロリを使った「地産地消給食」の献立作りというミッション。光子と荒木、ヒカリが協力してレシピ考案に奮闘する中、ポンコツ4人は職探しに奔走します。ちなみにこれ、舞台は東京だと思うんですけども、東京でセロリを名産にしている市や町ってないどころか、江戸川区に都内で唯一のセロリ栽培農家があるだけらしいです。そこのセロリは絶品だそうですよ。食べたくなりました(ドラマと無関係の情報)。
ポンコツ軍団の就職活動はまったくうまくいかず、彼らの身を案じる荒木さんも非常に落ち込んでいます。でも光子の「最高に美味しい給食づくり」への情熱を受けて、発奮! 笑顔が可愛いなあ~。ドラマ序盤ではワンマンシェフだった光子ですが、今では絶妙なアシストで周囲を鼓舞するまさにスーパーヒーローの役回りになっています。っていうか日本一ヒーローの役が似合う女=天海祐希、これ間違いないんじゃないでしょうか?
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