いかなる時も笑いを追及するはずのお笑い芸人だが、時々笑いをとることを捨ててまで、自分の趣味を全開にしたボケを披露していることがある。しかも何故か「1/3の純情な感情」で有名なロックバンド・SIAM SHADEに関するネタが多いので、「お笑い芸人、SIAM SHADE大好き説」を唱えてみたい。
まずは今大人気のトレンディエンジェル。ボケの斎藤さんはGACKT、HYDE、河村隆一といったV系ボーカルの歌マネを得意としており、こちらは元ネタもかなり知名度が高いため普通にウケる。とりわけ漫才のつかみでは、歌マネをしてから「どうもLUNA SEAの河村隆一です(斎藤さん)」「毛ナシーじゃないの?(たかし)」といったハゲネタに絡めたやり取りをよくやっている。
しかしある時、漫才のネタで、斎藤さんがたかしのお尻を見つめながら撫でまわすというボケをして「どんな感情だよ!」とツッコまれると、「1/3の純情な感情だよ!」と返すというやり取りが。今の若い観客でこのボケにピンとくる人は少ないのか、はたまた元ネタを知っていてもこの場面で「1/3の純情な感情」の返しが微妙なため誰にもウケず寒い空気が漂っていた。その後はキャッチーなボケで次々と爆笑を起こしていたので、「1/3の純情な感情」はただ言いたかったのだろう。今年の12月11日放送の『おしゃれイズム』(日本テレビ系)では、斎藤さんは死ぬほど滑ったピンネタとして「1/3の純情な感情」の替え歌を披露。まったく受けないSIAM SHADEネタをどうしても作ろうとする姿勢は、SIAM SHADEが大好きとしか思えない。
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