インタビュー

女性向け性感マッサージ。キスも挿入もなし、純粋に全身の快楽を提供するその全容とは

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お客様を尊重するという当たり前のこと

――この2~3年で、AVの「マッサージもの」すごい増えましたよね。マッサージされてるうちに気持ちよくなっちゃってハメちゃう系。女性向け動画サイトさんのランキング情報によると、そういう作品は、女性人気も高いようですよ。

Mさん「僕もAVはたまに見るんですけど、確かに増えたなあって思います。実は、僕がやっていたような個人での性感マッサージサービスをする男性も、増えているようで……リピーターの女性でいろいろ試している好奇心旺盛な方がいるのですが(笑)、『このあいだ、新しく開業したどこそこの誰っていう人にやってもらったけど、全然良くなかった!』とか『前にしてもらった人は、あなたと考え方が似てて良かった!』とかいろいろと評判を伺っています」

――場所代だけじゃなくて、施術料金をとってやられている男性や業者さんもいますよね。

Mさん「ありますよね。もちろん女性への奉仕をしっかりして癒しの時間を提供しているきちんとしたところが多いとは思いますが、中には5分くらい女性の体をマッサージしたら、すぐ“性器の責め”に移行してしまって満足感が得られなかった、という話を耳にすることもあります。もちろん様々なお客様がいらっしゃると思いますし、セックスだけを求める方もいるのかもしれませんが、やっぱりサービスを提供する側の“欲望”を表出してはいけないと思うんですね。本当に、信頼してもらえないと出来ないことをやっていることじゃないですか、女性は裸なわけで。僕のところに連絡してくる人は、最後の送信ボタンを押すまでに何日も悩んだと思う。そこは尊重しなきゃいけないし、その勇気はありがたく受け止めているので、だからこそ素敵な時間にしましょうねといつも言ってきました。笑顔で帰ってもらえるようにサービスしてきたつもりです」

――そもそも日本って女性向けの性風俗が圧倒的に少ないですよね。

Mさん「カップルや夫婦でのセックスの回数も少ないという統計データが出ていますよね。女性が欲望を表出しにくい社会だと思います。それに男性のやりたい放題のセックスに従ってきた女性は、セックスそのものに良い印象をもてないと思うし、セックスをしたいと思えなくなるんじゃないでしょうか。悪循環ですよね」

――性欲というものを誤解している側面もあるんじゃないかな、と思います。Mさんは個人で性感マッサージをやられているとのことでしたから、ガツガツした性欲旺盛な方なのかと想像してしまっていたのですが、性欲でやられているわけじゃないんですよね。意外でした。見た目も全然、色黒とかアクセサリーとかないですし。

Mさん「それは気をつけてるんですよ(笑)。特に新規のお客様をとっていた頃は、今よりもっと気を遣っていたかも。初対面の印象って大事じゃないですか。そこで生理的嫌悪感を持っちゃったらもう二人でホテルには行けない。僕は風貌がサルっぽいので、『ちっちゃいサル顔が現れますから、サルが来たって思ってください』と、事前にハードルを下げたメールをお送りしてからお会いしていました」

――ご自身が男性向けの性風俗に行くことは?

Mさん「若い頃はたまにあったんですけどね、ピンサロとか。体育会だったのでみんなで、それこそ安いピンサロとかヘルスとか。いいのか悪いのか、体育会系でしょっちゅうコンパもあって、女性との出会いもセックスの機会も多くあったんですね。おかげさまで経験をそれなりに積ませていただいて、だからあんまり、今もう『やりたくてやりたくてしょうがない』みたいな気持ちにはならないですね」

――性感マッサージをする上での考え方は、そういう下地ありきなのかもしれませんね。

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 自分の欲望を満たすためじゃなく、相手のためにしている。これは男性向け風俗で働く女性も同じでしょうし、サービスの基本だと思います。Mさんはもう新しいお客様を受けることはないでしょうが、同じような志を持ち性感マッサージをしている男性は関東や関西に数名いらっしゃる、とおっしゃっていました。この基本を理解した女性向けの性風俗が、日本でビジネスとしても発展していくことを望みます。

■取材・文=水品佳乃

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