インバウンドのお客さんに広めたい「ラブホテル」の利便性
日向 神奈川県川崎市にあるラブホテル「迎賓館」は、映画『ヘルタースケルター』のロケ地にもなっているんですが、すごく素敵でしたね。フロアごとに装飾のタイプが違い、映画で使用された一室は、お部屋の中に橋が渡してあるゴージャスなお部屋でした。
――オリエンタルな雰囲気が漂っていて、インバウンドのお客さんにも、ウケがよさそうですね。
日向 以前、フランスにあるドキュメンタリー番組を制作しているテレビ局から取材を受けたことがあったんです。フランスの建築家の方が、東京の様々な建築を巡りつつ日本のラブホテルも行ってみたい! ということで、私がアテンド役を担うという内容だったんですが、そのときに強く感心されていたのが「迎賓館」と、六本木にあるSMルーム専門の老舗ホテル「アルファイン」でした。
――千葉県千葉市にあるリゾートホテル 「HOTEL CAMBRIDGE(ホテル・ケンブリッヂ)」は、日向さんがいくつかの部屋をプロデュースされていますが、「迎賓館」や「アルファイン」のようなこだわりを持って改装に臨んだんですか?
日向 予算の関係もあって内装を大幅に変えることは出来ませんでしたが、たとえば1番小さな部屋は、“小さい部屋”というのを逆手にとって、バリ風のエステサロンのようなリラックスできる空間をイメージして、照明も暗くして……という感じにしましたね。機会があればイチからプロデュースもしてみたいです。内装以外にウケが良かったのは、アメニティの変更。そして1番大きい反響があったのは、Lサイズのコスプレ衣装! 私自身、昔に比べて体重が24キロ増えちゃったというのもあるんですが……、コスプレの普通サイズって結構小さめなんですよね! セーラー服を着たくても入らない方って結構多いんですよ。着替えたもののパツンパツンじゃ興ざめしちゃうけど、ダボダボ大きい分には華奢に見えるからアリなんです。「HOTEL CAMBRIDGE」では、3Lサイズまで展開しており、すごく好評です。
――小さめサイズのコスプレ衣装で、興味はあるのに泣く泣く諦めていた方が多かったということが判明しましたね。日向さん自身は、どのようなラブホテルが好きですか?
日向 スイートルームみたいにゴージャスな部屋があるラブホテルはいいですよね。大阪府豊中市にある「ロータス 豊中店」は、サメのいる水槽がある部屋があったり、ベッドが2つあったり、ダイニングテーブルとイスのある部屋や、鏡張りだったり……、まるで“成功した人の部屋!”って感じ(笑)。反対に、年を重ねると和室も素敵なだと思うようになりましたね。最近は“昭和のラブホテル”といわれているような、ゴテゴテした装飾だったり、ステンドグラスでちょっとなまめかしい雰囲気を演出していたり、たくさんのカットが施された鏡があったりするラブホも好きです。
――国内旅行のときにラブホ活用するのも楽しそうですが、ラブホテルって予約はできませんよね?
日向 旅館業法で営業しているホテルなら、予約できるところもすごく増えてますよ。クリスマスやバレンタインなどの繁忙期は受け付けていないホテルも多かったんですが、最近は繁忙期でも予約できるところも多いです。しかも、予約できるところは、1回チェックインしてから出掛けることもできる「途中退室」もできるのですごく便利。ラブホテルって車で行くところなら高速道路のそば、電車で行くところなら街の中心部にあることが多いじゃないですか。だから観光の際は、ラブホテル宿泊はオススメですよ。
――宿泊費も、ラブホテルは部屋貸しだから旅館に宿泊するよりも経済的に嬉しいですね。
日向 そう、もうひとつラブホテル宿泊でおトクな活用方法なんですが、視聴者が観たいときに様々な映像コンテンツを視聴できるサービス「ビデオオンデマンド(VOD)」は、シティホテルの場合だとプリペイドカードを購入しないと視聴できませんが、ラブホテルだったらAV視聴と一緒で映画も無料で楽しめるので、レンタルショップで最新のものを借りたり、シティホテルでプリペイドカードを購入するより、断然オススメです。
――女性ひとりでも楽しめそうですね。
日向 いいですよ、いつもと違った空間で息抜きするもよし、仕事するもよし。楽しみかたもたくさん! お腹いっぱいになれるし、疲れたら寝る、退屈だったら映画鑑賞。アメニティも豊富だから基礎化粧品を持っていく手間も省ける、それなのにお安い。
――贅沢な空間ですね。その風営法と旅館業法の違いや、実は予約ができるということ、ひとりで宿泊可能ということも、知らない方もまだまだ多いと思います。興味を持ったホテルを見つけても、風営法と旅館業法のどちらで営業しているのかというのは、たとえばオフィシャルHPを見れば、わかるものなんでしょうか。
日向 自分が連載してるから言うわけじゃないんですけど、先ほど紹介したサイト「ハピホテ」だと、風営法のホテルには「18歳以上NG」という表示があるので、とてもわかりやすくなっています。反対に書いていなければ旅館業法のホテルということになります。そこから予約のためにオフィシャルサイトに飛べますし、便利です。
――これから東京五輪に向けて、東京が盛り上がってくると同時にまた、インバウンドのお客さんも多くなると予想されます。宿泊先が女子に嬉しいサービスも盛りだくさんでインテリアも可愛いラブホテルだったら、外国からのお客様もテンションが上がると思うんですよね。
日向 そうなんですよね。来日するときに、宿泊するホテルを決めてこない方って本当に多いみたいですよね。そういう方のためにも「ハピホテ」では「LOVE INN JAPAN」という外国人向けのサイトをオープンさせており、英語で説明しています。利用者が増えることは、日本のラブホテル業界でも嬉しいことですし。私も引き続き、ラブホテル業界の盛り上げに尽力します!
ー
◆日向琴子さんプロフィール
世界で唯一のラブホテル評論家。漫画家、コラムニスト、元グラビアアイドル。第4回国民的美魔女コンテストにて「スリム美魔女賞」受賞。ライフワークとして、性感染症やエイズに関する予防啓蒙活動を続けている。
レギュラー番組『ケンコバのBAKO2 TV』(サンテレビ)では毎週オススメホテルで女子会を開く『日向琴子のラブコンシュエルジュ』が好評OA中。
オフィシャルブログ: 「日向琴子のキレイになること」
1 2