『CD&DLでーた』も2016年9-10月号を最後に定期刊行を終了。その号の表紙がAcid Black Cherryのyasuだったことからもわかるが、V系専門誌ではないものの『CD&DLでーた』はV系を多く取り上げてくれていた。この他ではDIR EN GREYを表紙にしたり、MUCCの逹瑯がコラムを連載するなど、中堅V系バンドの中でも実力者を推してくれていた。
またファッションブランドではバンギャ御用達の「h.NAOTO」が、2016年8月に全ての店舗営業を終了しオンラインストアでの販売のみに。「PEACE NOW」は2013年に閉店している。
V系バンド自身にも今年はあまりよくない出来事が起き、ナイトメアが活動休止、ギルガメッシュ、Raphael、SCREW、DIV、ViViD(こちらは2015年だが)が解散をしている。そしてノリに乗っていたlynch.のメンバーが逮捕&脱退……。
だが良くないことばかりではない。2007年にX JAPANが、2009年に黒夢、2010年にはLUNA SEAが復活した。そして2016年10月には日本最大10万人規模のヴィジュアル系フェス「VISUAL JAPAN SUMMIT 2016」(以下、VJS)が開催され、X JAPAN、LUNA SEA、GLAY、清春、hydeなど、時代を創り上げ、今もなお動員数がそこらの若手バンドの比ではないメンバーが集結。このフェスには若手バンドも40組ほど参加。またとないアピールの場になった。これによりV系がまた勢いを取り戻すきっかけになればいいのだが。
また、日本ではイロモノ扱いされるV系バンドも海外では評価が高く、海外ツアーまで行える若手バンドも多い。今はまだ話題をつくるのはベテランV系バンドに頼りきりで、演奏力なども正直比較にならないくらいベテランの方が上だが、逹瑯がVJSで発した「かっこいいヴィジュアル系に戻していけたらな」「ファンがヴィジュアル系の音楽が好きって胸を張って言えるように」という言葉を信じて、今後もV系界隈を見ていきたい。
(プラント)
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