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世間にガタガタいわれる筋合いはねえ! 最後まで「デカダンス」要素が見当たらなかった『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』/最終話レビュー

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 そして2021年、デカダンスメンバーは華々しい活躍をしていた。辰屋は、事実を隠蔽しようとした警察に辞表を叩きつけ、実家の花屋を継ぐものの、周囲からの詮索に嫌気がさし、役者としてデビュー。『漢!刑事泣き虫』に影響を受けた『情熱コップ クライ』で主演を飾り昭和熱血ドラマブームを巻き起こす。ショウはネット系タレントとして人気者となり神としてあがめられ、Dはイクメンバカタレントとして活躍、テルは知ったかぶりと毒舌が受けテレビのMCを務めるほどまで上り詰めていた。

 そんな中、ネットではある噂が流れていた。事件から5年の月日が経ったいま、吉光の都知事就任パーティー前に、デカダンスが発表していた「ROAD TO DREAM」計画が始動するのではないか、と。

 しかしデカダンスメンバーは、噂の真相を確かめようとする芸能レポーター・胡桃沢くるみ(青山美郷)に対して口々に答える。「デカダンスの復活なんてありえない」「協力してくれる人たちなんていない」「そんなのあるわけない」と。

胡桃沢「ユーヤという犯罪者とアイドルやったら、いまのポジション失いかねないもんね」

 場面は変わる。

 出所したユーヤに対して、島崎が問いかける「あいつらには会わないのか?」。刑務所の中でデカダンスメンバーの活躍をみていたユーヤは答える。「もう、俺のことなんか興味ないでしょ」「警察は俺のことマークしてるんでしょ。5年前に公にしなかった不祥事を俺がしゃべったら……まあ前科者の声なんて圧力をかけたらもみ消せる。でも人気者になったあいつらなら……だから警察も俺への警戒を解いていない。現に島崎さん、あんたも俺のこと監視してるんだろう? もう二度とあいつらの前には顔を出しません。なにもかも興味なくなっちゃったんです」

 辰屋に逮捕されたユーヤが最後に見せた神妙な面持ちは、きっとこんな未来を予想していたからこそのものなのだろう。島崎は、明確な返答を出せず、ただ言いよどむだけだった。

 ひとり街を歩くユーヤ。そこに突然二人組の男が襲い掛かり、暗闇の中でユーヤを縛り上げる。

???「お前に存在してもらっては困るものだ」
ユーヤ「警察の人? 大丈夫だよ、しゃべらないし、芸能界には近づかない」
???「そんな話信じられない」
ユーヤ「殺す気? それでもかまわないけど。別にやりたいこともないし、親父の敵もあんなふうに幕を閉じて、なんかもうどうでもよくなっちった。燃え尽き症候群っていうの?」
???「もう一度デカダンスをやりたいとは思わないのか?」
ユーヤ「どうだろうね。俺がどうっていうより、あいつらがそれを望まないでしょ」
???「なぜそんなことを言う」
ユーヤ「成功した人間は誰しもその地位を守ろうとする。そのためには平気で仲間を売る」
???「俺たちはそんなことはしない!」

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