また、ラジオで竹山はハワイでのビジネスが難しく、日本人のように情で成り立たないことも訴え「楽園だけじゃない」ことを強調したのだが、これは実感から滲み出た言葉のようだ。というのも竹山はバラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の企画で、ハワイのホノルルに「竹山かき氷本舗」というかき氷店を1カ月限定で開いている。期間中の売り上げが1,220万円に達したものの、人件費などの諸費用を除くと最終的な黒字は75万円ほどと、苦労に見合わない結果に終わった。
とはいえ、前述のようにハワイに入れ込む芸能人は増え続けている。吉川ひなの、長谷川潤、梨花が拠点にしているほか、紗栄子をはじめとした憧れ対象の女性芸能人は、季節を問わずハワイに飛ぶ。ハワイ好きの芸能人によく見られる傾向として、どこか「スピリチュアル」なものをハワイに求めていることが言える。梨花は2015年4月放送の『アナザースカイ』(日本テレビ系)で、人間力を高めるためにハワイに行きたいと訴え、紗栄子はハワイを「自ら求めなくても自然と元気を貰えるパワースポット」と語っている。ハワイを神聖化しているようだ。
今となっては違和感もなくなってしまったが、年末年始の芸能人のハワイ旅行も不思議な風物詩だ。ミュージシャンの内田裕也やキャイ~ンの天野ひろゆきは、年末年始のハワイ常連として知られている。2017年の正月には浜田雅功と小川菜摘夫妻、ヒロミと松本伊代夫妻、薬丸裕英などがハワイに訪れ、Instagramに写真をアップしている。もちろん井上公造もだ。
芸能人がこれほどハワイ好きを公言し、安心安全な旅行スポットとしての側面ばかり強調されると、一般旅行者も危機感を持ちにくいのかもしれない。だが現地に住む日本人の口コミ情報サイトでは「車上荒らしが驚くほど多い!」「置き引きが頻発するので油断は禁物」「日本とは違うということを念頭に置いて旅行しましょう」「安全に思われているワイキキも行動次第で危険地帯になる!」と、当たり前のことばかりであるが注意喚起の声が続々。また一部の旅行情報サイトでも「多額の現金を持ち歩くのは問題外」「ツアーの名札や部屋番号の書かれた札を服に付けて歩く人がいて危険」「人気の高い街でも夜に出歩くのは危機意識が低すぎる」と厳しく伝えている。多くの観光客が集まる場所であるからこそ、観光客狙いの犯罪はつきものだ。常識的な防犯意識を持たなければいけないだろう。
行動の仕方によっては事件に巻き込まれる可能性が十分ある。竹山のように、芸能人たちがハワイを「ただの楽園じゃない」と伝えてくれると有り難いのだが。
(ボンゾ)
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