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キムタクはやっぱりキムタクだった。ドロドロの人間模様がまだ足りない『A LIFE~愛しき人~』/第一話レビュー

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 本作のヒロインである深冬は、小児外科医として働きながら、娘のために炊事をしている家族思いの人物として描かれている。壮大の不倫に気づいているのかどうかはまだわからない。夕食の準備をしている最中に、帰宅した壮大から「外で食べてきた」と言われ戸惑うシーンがあり、夫婦関係が冷めつつあることは確かのようだ。基本的に沖田に対しては敬語で会話しており、一定の距離をとろうとはしているようだが、沖田への思いをまだ胸に秘めているのかも現時点では定かではない(好意を寄せてないわけがないが)。すでに予告されているように、脳に腫瘍が見つかっており、沖田がメスを取ることも決まっている。二人の関係性が変わるのは思った以上に早い段階でくるのかもしれない。

 そして肝心の沖田像だが、非常に木村拓哉らしいキャラクターであまり説明はいらないかもしれない。クールでそっけない天才だが、アツさと信念も持っている。そして時々感情をあらわにするが、粗野なところはあまりない。印象深かったのが、一回目の手術に同意した深冬が、「治るっていったじゃない」「院長と副院長は対立しながらもうまくやってきた。いまさらに戻ってこないで」と二回目の手術を提案する沖田にぶつかってくる中、それを無視して手術方法の思案に戻るシーンだ。深冬に対して感情的にぶつかるでもなく、理詰めで説き伏せるでもなく、ただ自分がやるべきことを淡々とこなす沖田が、今後のドラマ展開でどう感情を露呈させていくのか見ものだ。

 主要な登場人物を見る限り、本ドラマは立場を異にする人びとが、互いに策略を張り巡らすダイナミックな展開になるわけではなさそうだ。やはり沖田らが小賢しく策を講じる姿はイメージしにくい。それぞれに思惑はあるだろうし、壮大、井川、羽村、榊原あたりはいろいろ策を練るのだろうが、沖田が強い意志をもって仕事を遂行し、それらをねじ伏せていくというキムタクドラマらしい展開になると予想している。

前クールの医療ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)は昨年の民放連続ドラマ1位をとった。『A LIFE~愛しき人~』は初回の好視聴率をどれほど維持できるだろうか。ドロドロの人間模様が期待されるドラマではあるが、今のところまだまだ薄味だなという感想を持った初回だった。
(ドラマ班:デッチン)

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