30半ばの私が学校でいわゆる“性教育”というものに触れたのは、およそ17年前、中学2年生の頃だったと記憶しています。といっても、保健体育の延長で、男子には「女子には生理というものがあるんだよ~」女子には、「コンドームっていうものがあるんだよ~」くらいのレベルでした。セックスについて具体的な知識を与えることを良しとしない学校は今も多いのではないでしょうか。
年頃の子を持つ親御さんでも、「性について学ばせるべきだ」という意見もあれば、「性に興味がある年頃に、刺激するようなことは話さないでほしい」という方もいるでしょう。日本と海外では性教育でも違いがあると思いますが、デンマークは特に、オープンなセックス観があるようです。
5歳から性教育をするデンマーク。そのセックス観を象徴するラブグッズとは
<学校教育も大事ですが家庭でもセックストークをオープンにしていくことで、デンマークの子どもたちは自分の身体について、そしてセックスについてのポジティブなイメージを養います。16歳ぐらいになると少年少女たちはセックスしはじめますが、そのころには『自分を大切にする』という当たり前のことが身についているんです>
私も思春期の頃に両親に性教育を受けたことはないし、オナニーをはじめ性の話を自分から親にした記憶はありません。というか、漫画『東京大学物語』を所持しているのが見つかって「こんなイヤらしいもの!」と母親に怒られた記憶が蘇ってまいりました。子供が性に興味を抱いていることに気付いたとき、学校や家庭はどう接することが望ましいのか。日本の公教育ではその議論さえ、硬直してしまっています。
「押し付けがましい母親だったと思う」アダルト業界で働き私生活でも性を探求した女性の子育て/神田つばきさん
<「ママ、おろちって知ってる?」って。「おろち? 何?」って言ったら、「えー知らないの? 自分で自分のことを触るやつ」とニヤニヤ。どうも、オナニーのことだったんですね(笑)。で、お姉ちゃんは中1なのでもうその知識があって「やだー気持ち悪い」と言ったんだけど、ここで罪悪感を抱かせると、ずっと親に隠す子になるなと思って、「オロチーってどういうことをするの?」と話の続きを促したんですね。「自分で自分のパンツの中に手入れていじるんだよー」って言うから、「へぇーそうなんだー知ってるんだぁー」「うん、知ってるよやり方」「すごいねー○○ちゃん!」「すごいでしょー!」「でも手を洗って綺麗にしてからやった方がいいんだよ」ってやりとりをしましたね。それが彼女の性教育の最初の日だったんですねぇ>
(大根 蘭)