若手女優・清水富美加(22)が、芸能界からの引退と宗教法人「幸福の科学」への出家を発表し、大騒動となっている。2月11日、レギュラー司会を務める生放送『にじいろジーン』(フジテレビ系)を体調不良で欠席した清水は、同日18時47分にTwitterに新アカウント@sengen777を開設。その新アカウントで「私以外に私の本当の事を語れる人なんていないことを、今のうちに言っておきます。自分の真実くらい、自分で語らせて下さい」と意味深な投稿をし、翌12日の早朝5時、各スポーツ紙が一斉にその引退を報じた。
同12日の午後、東京・五反田の幸福の科学総合本部で、同教団専務理事・広報担当者と、清水の代理人を務める顧問弁護士が会見を開いた。清水は「非常に体調が不安定で危険な状態が続いて」いるとされ会見には出席しなかったが、直筆の書面を公開。清水の一家は幸福の科学信者で、彼女自身も幼少時から信仰熱心だったという。今後は「神のために生きたい」とすでに出家、宗教家としての法名は千眼美子(せんげん・よしこ)になる。Twitter新アカウントの「sengen」はこれを意味するものだったようだ。
また、教団側は、清水がデビューから8年間にわたって所属した芸能事務所・レプロエンタテインメントを厳しく糾弾。出家は唐突なことではなく大きな伏線があったとし、「私ども、芸能界にしばしばみられる厳しい就労環境があったことが大きな点だと思っております」。その主張を以下にまとめる。
<給与について>
・デビュー当時は歩合制(清水は08年にデビュー、09年3月から2012年3月の休刊まで、女子小中学生向けファッション雑誌『ラブベリー』(徳間書店)の専属モデルを務めた)
・デビュー3年後から月給制に(月5万円)
・父親が事務所に「月給5万円は厳しいのではないか」と告げると、仕事を干された
・清水自らオーディションに臨み役を射止めた『仮面ライダーフォーゼ』の撮影中、睡眠時間3時間で1カ月31日働いても、月給5万円でボーナスなし
・現在は月額でいうと20万円台の給与
<仕事内容について>
・性的対象にされるのが嫌で事前に拒否していたにもかかわらず、「もう決まっている」と水着撮影の仕事をやらされた(清水は10年の講談社ミスマガジンにエントリー。同年、水着ドラマ『熱いぞ!猫ヶ谷!!』出演。ミスマガとしての水着DVD、水着や体操服のイメージDVD、水着写真集等を13年までに3作品リリースした)
・7月29日公開予定の映画『東京喰種』にヒロイン役で出演し撮影を終えたが(昨年9月にクランクアップ)、人肉を食べる人種の役柄で清水の精神的負担に。ほかにも清水自身の思想信条にそぐわない仕事が増え不満を持っていた
・事務所が持ってきた仕事を断ると干される、という恐怖を常に抱いていた
<事務所のマネジメント体制について>
・意に沿わない仕事をして切り売りされているようで、周囲に「死にたい」と多いときには週1回の頻度で漏らすようになった清水だが、マネジャーは「もう言わないでほしい。死ぬという言い方はずるい」と真剣に取り合ってくれず、清水は自分の奥底に気持ちをため込むようになった
・清水はもはや芸能活動をできる心身状態ではないにもかかわらず、事務所は「せめて決まっている仕事はやってもらわなきゃならない」と、聞く耳を持たない強硬姿勢をとり平行線
・突然スケジュールの穴をあけたのではなく、仕事を整理すべく代理人を立てて話し合いを要求したのに、事務所は「やれ」という一点張りであり、結果的に清水は体調を崩し仕事に穴をあける事態になった
・清水は「業界のルールに従わないとこの世界では生きていけない。どんなおかしなルールでも。契約上、事務所を辞めたら本名を自由に使えないというルールから逃げられなくて、毎日がギリギリの状態でした」「そうした思いをしているのは自分だけではない。若い役者たちは同じように死にたいと言っている」と訴えている
過密なスケジュールや本人が望まないキャラクターを強制されることなども含め、こうした労働環境は憲法違反ではないか、と幸福の科学側は主張。
「SOSを役者さんがあげても、事務所側は仕事だからやるしかないと言うばかり」
「事務所側は、彼女の危機的状況に対して、真摯に対応してこなかった」
「業界の悪しき部分があるならば正していただきたいと、清水さん個人を越えて、芸能界が浄化されることを願う」
「事務所から振られたときに断れない状況の中で、よくもこんな仕事を当会の信者にさせたなと、個人的には思っています」