
(画像:『カルテット』公式サイトより)
前回ラスト、真紀の夫さん初公開、演者はまさかのクドカン! そんなの最高過ぎる! ということで大反響、大絶賛が続いているTBS火曜ドラマ『カルテット』。真紀(松たか子)、すずめ(満島ひかり)、有朱(吉岡里帆)の白熱会話劇も話題になりました。注目度高まりまくりの第六話は、とにもかくにも巻真紀&夫さん(巻幹生)の夫婦誕生崩壊物語。時間を存分に費やして(放送時間の8割方)、“夫婦はなぜ壊れてしまったのか”その過程が明かされていき、さらにその後、とんっでもなく危険な展開につながりました……。
▼大量の謎と伏線を散りばめた大人ドラマのはじまり/『カルテット』第一話レビュー
▼松田龍平のストーカー告白、ずるい濡れ場!「捨てられた女舐めんな」「今日だけのことだよ」/『カルテット』第二話レビュー
▼家族を捨ててもいいし、会いたくないなら逃げていい。/『カルテット』第三話レビュー
▼満を持して高橋一生回!夫婦とは、結婚とは、離婚とは…「男って他人の言うことは信じるのに、妻の言うことは信じない」/『カルテット』第四話レビュー
▼面倒な母からも妻からも逃げた「夫」がついに登場/『カルテット』第五話レビュー
もし、雪が吹雪いていなかったら…
真紀の義母・境子(もたいまさこ)のさしがねで真紀のスパイをしていた、ということが真紀に知られてしまい、別荘を飛び出したすずめは、夜道でヤバそうな中年男性(宮藤官九郎)と遭遇。彼こそが真紀の夫さんの幹生……なんてことはすずめは露知らず、というところで終了した第五話。
第六話、すずめと幹生は漫画喫茶に宿泊し、朝を迎えています。もちろん部屋は別々。前夜、別荘に帰ってこないすずめをカルテットメンバーは心配し、司(松田龍平)が20時台21時台、22時台に「すずめちゃん連絡して」とのLINEを送りましたが、すずめは23時台に「今夜はネットカフェに泊まって明日帰るので心配しないでください」と返信していたのでした。
幹生はすずめに『マキムラ』と名乗り、カルテットドーナツホールのチラシを持っていた理由は愉高(高橋一生)の先輩だから一度演奏を聴きたくて、と説明。素性を偽っています。幹生と愉高はかつて入院先の病院で同室だったんですよね。ま、幹生さんは結婚指輪をはめている状態で、いうまでもなくそれは真紀とお揃いで、すずめは騙されてはいないのですが。
「家森さん(愉高)に会うなら別荘までお連れします」とすずめの誘いを最初は断っていた幹生ですが、すずめに「今行きましょ」と押されると、意外にも簡単に応じます。妻との鉢合わせを覚悟したのか、そして別荘に帰るなんてすずめはもう気持ちの整理がついたのか。幹生の声が小さいところは妻の真紀と共通しています。
別荘では、境子と会うことになった真紀を司が心配する一方で真紀はすずめを心配し、「今日は私に晩御飯作らせてください。暖かいもの沢山作って待ってます。あと(すずめの好きな)コーヒー牛乳買っとかなきゃ」と申し出ます。スパイ行為をはたらいていたすずめを拒絶せず、受け入れているということでしょうか。五話の終盤、すずめが別荘を飛び出した後に愉高と司は帰ってきましたが、真紀は事の顛末(すずめ、有朱の真紀に対するスパイ行為が発覚。真紀に夫殺害疑惑を抱く境子がやらせていた)を彼らに話した様子です。
愉高はライブレストラン「ノクターン」にて、店主夫婦の谷村多可美(八木亜希子)から「楽に素早く10万円貰える仕事」の情報を貰い、逃げてしまった“青いフグリを持った猿”を探しに行きます。捕獲したら10万円とのことですが、せめてこの日、幹生と面識のある愉高が別荘に残っていたら、彼らの運命も違ったかもしれないんですよね……。
軽井沢駅に降り立った境子を迎える真紀。前回のような気さくな嫁・姑のやり取りはなし! 境子はいつもの教会で真紀と二人きりになり、単刀直入に「いつまで猫かぶってんの。本音で話しましょう。あなた幹生を殺したの?」と切り出します。ちなみに駅付近で、真紀と、すずめ&幹生はすぐそばを通りかかりました。が、お互い気づかず。この日雪が吹雪いてさえいなければ、また彼らの運命は違っていたのかもしれません……。
同じ頃、別荘に到着し二人きりのすずめが幹生にあれこれ詮索しています。幹生、のらりくらりと交わそうと試みてはいますが、あまり身が入っていません。いかにも、面倒なことから逃げたり、レモン嫌いなのに何食わぬ顔でレモンのかかった唐揚げ食べたり……しそうな雰囲気を醸し出しています。すずめがスマホで真紀に、幹生が別荘にいることを連絡しよう、という時に宅配便が届き、すずめは配達員の指摘で、幹生のスニーカーの汚れが強盗犯の足に投げつける警備グッズ『カラーボール』によるものだと知ります。そしてすずめは勇敢な行動に出ました。武器または防具のつもりか長傘を手にとり、率直に問います。
すずめ「えっと……、それ(幹生のズボンの裾のカラーボール染料)、銀行ですか?」
幹生「コンビニです」(あっさり白状)
すずめ「あ~、コンビニで何したんですか?」
幹生「お金がなくて」
すずめ「強盗的な?」
幹生「いや強盗っていうか、店の人いなくて……レジ、あいてて、ちょっと入ったら……」
レジに入っていた3万9000円を盗んだという幹生。右手を負傷していましたが、コンビニ強盗を働いた際に肉まんの保温ケースを倒してケガしたものだったようです。登場時からずっと挙動不審だった幹生ですが、それも納得……。警察を呼ぼうか呼ぶまいか困惑し「真紀さんにどう言えばいいですか」とうろたえるすずめですが、もはや「目の前の男はマキムラじゃなくて巻真紀の夫」という認識を隠すこともなくなっています。
教会では、“夫婦はなぜ、壊れたのか”を、真紀が境子に語りはじめます。同時に、別荘でも幹生がすずめに同じことをポツポツ話しはじめるのです。それぞれの会話がシンクロするゾクゾク感(二重奏?)に、視聴者の気持ちも昂ります!