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フェミは感情のゴミ箱じゃない! まさかのTwitter炎上で見えたフェミ嫌いたちのまん(かん)違い

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先日、お友達の女性アーティストと酒を飲みながらフェミとアートについて語る機会がありました。
その中で、「フェミの思想は女性の味方なのに、女性からも嫌われるのはなぜだろう」と話していて、田嶋陽子さんのようなガミガミ女のイメージがテレビで定着してしまったことが大きな要因ではありますが男に「愛され」ようと媚びている側の女性にとっては、自分を否定されたように感じるのでは。という結論にいたりました。

 manko1112

「そういえばわたし、迷走している恋愛の時ほどフェミの人の発言が憎々しかったー(笑)」
「わたしもー! ヘンな男にハマって辛い時ほど、八方塞がりな気分にさせられたわ~(笑)」

わたしも彼女も痛い恋愛経験のある女。我が身を振り返り、しみじみしたものです。
そんな感じで楽しく酔っ払って帰宅し、Twitterにその話をぼんやりつぶやいたところ、早速フェミ嫌いな女性や男性からのお怒りを買い、集中砲火を受け、いつのまにかまとめができてプチ炎上してしまいました。
(まとめはコチラから)
まんこ以外でまとめができたのも初めてでしたが、本当にフェミの話が大嫌いな人が多いんだなぁと、ちょっと残念に思いました。(あ、単にわたしが嫌われてるだけか)

炎上した理由は、わたしが「フェミの思想は女性や全てのマイノリティの味方」とつぶやいたことに対し、「フェミは全てのマイノリティの味方じゃないよ」と言ってきたバイセクシャルの女性に、「あなたのどこがマイノリティなんですか?」と返したこと。
それが「こいつは『フェミはすべてのマイノリティの味方』と言っておきながら、セクマイであるバイセクシャルの人をマイノリティと認定しないし、味方にもなってないし、言っていることが意味不明、独善的なバカ女」として祭りあげられたのでした。
「男へ媚びている女」という発言も、極上の燃料投下となったようです。

「マイノリティ認定」してほしいの?

 問題の1点として、わたしもみなさんもフェミニズム(思想)と、その思想を信望するフェミニスト(人)をごっちゃにとらえて話が進んでいたことがありますが、その話は後ですることにし、先に問題の2点目から意見を述べたいと思います。

確かに、セクマイ(セクシャルマイノリティ)を総称する「LGBT(レズ、ゲイ、バイ、トランス」という名称の中にもきちんと明記があるように、バイセクシャルの方は、セクマイ用語の中では「マイノリティ」で間違いありません。
用語用法としては間違いなく叩いているあなたがたのおっしゃる通り。お怒りもごもっとも!しかし、問題の自称セクマイの彼女(以下Hさんとします)とわたしは、きっかけが思い出せないぐらい前からなぜか相互フォローしていた間柄(現在は解除)で、わたしはタイムラインに流れてくる彼女のつぶやきを嫌でも眺め続けてきたのです。

それは毎日毎日、セックスの話、男のちんこの好みの話、ハプニングバーでの楽しそうなお話ばかりでした。
Hさんはわたしのフェミのつぶやきに反発するリプライを時々してきたので、男性側によりそったフェミ嫌いの女性で、むしろリア充の部類の方かとお見受けしておりました。
ですから、「わたしはセクマイですけど!」と言われて、ポカーンとしてしまったのです。
全くわからないのでHさんに理由を聞いても、

「プロフに書いてありますけど!」

というお返事で、具体的な説明は一切ありません。
彼女のプロフィールには、確かに「バイセクシャル」だということは書いてありましたが、大変申し訳ありませんが、Hさん自身が世の中から断絶し、孤独で、差別を受け、のけもの扱いされていそうな根拠は全くわからないままでした。
そして叩いているみなさんは「わたしがHさんを『セクマイ認定』しない」と怒っているようでしたが、
わたしは彼女がはたして「マイノリティなのかがわからない」と言っているだけで「認めない」とは一言も言っていません。
はっきり言って、現実にバイセクシャルの知人も多くいるわたしには実感としての「マイノリティさ」をあまり感じませんが、ご本人がそう思うなら自称すればいいでしょう。
そもそも誰が認定すればOKとかNGとか、ギネスや免許皆伝みたいな話ではありませんよね……?

manko11125

大体、「わたしはあなたの性癖に偏見はないよ」と言っているのに、「いや、わたしは被差別者なんだ! なぜ認定しない!」と言い続ける意味が全然わからないのです。
そのうちわたしに同情的なつぶやきをする人へも絡みはじめ、病気でもないのに病名をつけられればホッとする患者みたいでめんどくさい人だなーと思いました。
(あ、すみません、つい本音が……)

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ろくでなし子

漫画家。日本性器のアート協会会員。自らの女性器を型どりデコレーションした立体作品「デコまん」造形作家。著書に『デコまん』(ぶんか社刊)。『女子校あるある』(彩図社刊)

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