普通のおっさんとコーヒーをすすりたいぞ…
収録が終わってから、「レンタル彼氏かぁ、一度でいいから体験してみたいなぁ」と悩んでいたものの、「私は年上が好きだからなかなかタイプの方もいないんだろうなぁ」と予約ダイヤルをクリックするのはためらっていました。若い男性が嫌いなわけじゃないけど、あんなジャニーズみたいなイケメンさんが来たら逆に緊張しちゃって癒されるどころじゃないし、考えただけで滝汗止まらないですし。「どうせならおっさんがいいなぁ」なんて、適当にワードを入れてスマホを眺めていると、なんと、すごいものを見つけてしまったのです。
“おっさんレンタル”っていうパワーワードを。
おっさんレンタル。この響きの良さよ。おっさんレンタルのサイトをじっくりと見てみると、何とも素敵なおっさんたちが並んでいるではないですか。料金は、一時間千円。その安価に思わず「えっ」と声をあげてしまいました。やけに高い〈ひとりカラオケ一時間〉よりも安いじゃないか!!
言い方はあれだけど、いい意味で普通のおっさんが並んでいて安心したんです。どこかのサイトでは、おっさんレンタルについてこう語られていました。「人生豊かなおっさんをレンタルして、傾聴してもらうだけで嬉しいんです」とか「誰か人の役に立ちたいというボランティア精神溢れる人でなければ、とても務まらないのがおっさんレンタルだ」とか。え、めっちゃ良くね? 一緒にコーヒーをすするおっさんや、にこっと笑いながら話を聞いてくれるおっさん、映画館で一緒にスクリーンを観るおっさん、その他諸々、きゅんっとするおっさんのシーンが脳裏に過る……。完全に心をくすぐられてきたぞ……。
でも、私だったら何を補いたくて、何を求めて、おっさんを呼ぶのだろう――恋愛対象、というのはさすがに違うような気がして。というのも、うっかり好きになってしまうのは仕方がないとして、初めから恋愛目的のために利用するのは、プロ意識を掲げて頑張っている方々にとても申し訳ない動機なわけで。