
(C)緑丘まこ
カップルの形は十人十色。入籍しているご夫婦、事実婚、恋人等々、形態も色々。この連載では、様々なカップルのインタビューを通じて、型に捉われた恋愛観や夫婦観からの脱却をアシストします。第二回は、やまもとありささんの薄毛克服チャレンジ・マンガ連載に薄毛女子(スゲジョ)として登場してくださった緑丘まこさんとサトルさんのカップルを取り上げたいと思います。
<バックナンバー>
・カップルFile01<ゆささん・アルバロさん>日本でAV男優を目指すチリ人夫と、それを応援する妻
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■カップルFile02<緑丘まこさん・サトルさん>
緑丘まこさん:名古屋出身の関西育ち・アラサー女性
サトルさん:九州出身・25歳男性
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noteなどで自作マンガを公開している緑丘まこさんは、元ヤリマンですが現在の彼氏・サトルくんと出会ってからはとっても一途かつ束縛気味ガールに変貌したそうです。
サトルくんは留年中の大学生ということで、卒業をかけた単位取得のための試験を終えた後、取材現場に合流してくれました。
――お二人の出会いは、クラブだったそうですね。
まこ はい、渋谷のATOMっていうクラブで1年前に出会いました。去年の1月だったかな。私が一人で行ってて、サトルくんが声をかけてくれて。
――まこさんは音楽が好きとか踊りたいとかじゃなくて、純粋にセックスの相手を求めてクラブへ?
まこ そうです。私は全然音楽聞かなくて、その日は若者が好きそうなJ Soul Brothersとかかかってたんですけどそれも興味ないし、音楽なんてどうだっていいみたいな感じで。
――サトルくんも一人で来ていたんですか?
まこ 同じバイト先の男の子に「クラブ行こう」って誘われて、二人で来てました。サトルくんにとって初クラブだったそうです。私は本当にその時は、遊びたかっただけなんで一発ヤれればいい、セフレ止まりの相手と会えればいいと思ってたんですね。でも、サトル君がすごい良い子だったんですよね。大抵、クラブで会う人ってヤりたいだけなのに、サトルくんは「エッチより居酒屋デートがしたい」って。
――じゃあクラブで会ったその日はセックスせず?
まこ いえ、ヤりました、ヤりたかったので!
――ATOMの周りってラブホだらけですもんね。その辺りのホテルに連れ込んで?
まこ ホテル嫌いなんですよ、私。私って、薄毛じゃないですか。だから明るいところで見られたくない。起き抜けは特にペターってなっちゃって。ホテルですると、寝て、朝になってから一緒に外に出ることになるじゃないですか。それが嫌なんですよね。だからいつも私の家でします。家だったら、朝になっててもカーテン閉めて電気つけないで暗いまま「じゃあねー」って帰ってもらえるんで。男の子も自然に帰ってくれますし。
――で、サトルくんを自宅に連れ込んで、ヤ…
まこ ヤりまくって……ヤりまくるっておかしいな、その時サトルくん一回しかしてないですし、何なら射精してなかったですし。サトルくんはあまり乗り気じゃなくて。「好きな子とじゃなきゃヤりたくない」って言ってたのを、強引に私が家に連れてきて押し倒した流れなので。二回目にした時もいかなくて、正式に付き合ってからは普通にイクようになったので、本当に好きな子とじゃないとやりたくない人なんだなあって思いました。
――どのような経緯で正式に付き合うことになったんですか?
まこ 最初の日が終わってからサトルくんが次に会う時のことをLINEしてきて、それから何回かデートをして、「俺のこと好き?」って聞かれたので「好きだよ」と答えたら「じゃ、付き合おう」って。きゃー(ハート)
――出会ってから何日後くらい?
まこ 三週間くらいですかね。サトルくんと数回デートしてから、私の親友が関西からうちに遊びに来て二週間泊まっていったので、その期間、サトルくんに会えなかったんですね。で、何度もLINEを見返したりしちゃって、その時に自分も「ああ、私サトルくんのこと好きになってるなあ」と気付きました。今までそういうの全然なかったのに。とりあえずヤれればいいと思っていたのに、すごい久しぶりに人を好きになった感じでしたね。
――セフレは何回リピートしてもセフレのまま、好きになることはなかったんですか?
まこ なかったですね。向こうから「好きかも」と言われることがあっても、私は全然好きじゃなかったり。好きになられると面倒くさいので、セックスする前に私は相手に「ヤりたいだけだから、彼氏とかいらないから」と宣言していたんですね。あなたは私の性欲を処理するゴミ箱だよ、って事前にお断りしていたんです。これは防御というか、セックスしてからストーカーになられると怖いじゃないですか。だから敢えて嫌われそうな発言をしておく。
――なるほど。
まこ たまに友達が「クラブで会った人がしつこいの~」「好きになられちゃうの~」とか言ってると、「あのね、それは防御してないからだよ」と説教したりしてました。
――でもサトルくんの時は何か違った?
まこ 違いましたね。なんか、すごい良い人だったから。私も「この人をゴミ箱扱いしたら悪いな」って、最初から思って、あまり嫌われるようなひどい言葉を投げつけたりはしませんでした。
――なんで「すごい良い人」って思ったんですか。とりあえず、出会いはナンパですよね。
まこ ナンパですけど、それも一緒に行った友達に「クラブ来たんだから女子に声かけないと!」って煽られて声をかけた感じで。あと、女とヤりたいだけだったら、その辺のラブホに行けばいいけどそういうこともしようとしなくて。そもそもサトルくんはその友達を置いてきぼりにできないからって言って始発が出る時間まで三人でクラブにいて、おまけに私の家に行くための始発電車に乗ってもずっと「まこさんを送ったら俺は帰るから」って言ってたんですよ。強引に家まで持ち帰っちゃいましたけど。その上「好きな子とじゃないとセックスしたくない」発言を裏付けるように、付き合ってない状態でしても射精しない……。
――それが今までした男たちと違うな、と。
まこ 遊びのセックスとか求めない感じで。そんなサトルくんなので、私は喧嘩した時に「お前はヤリマンだったからな」って言われることがあるんですよね……それがすごい辛くて。
――元ヤリマンなだけで、今はめちゃくちゃ一途にサトルさん大好き、なんですもんね。
まこ クラブにも全く行かないですね。ちょっとウザいくらい私はサトルくんにハマってると思います。
「好きな人とじゃないと射精しない」
ここで大学の試験を終えたサトルさんが合流してくださいました。
――現在はお二人は同棲しているんですよね。
まこ 去年の5月から、私の住んでるアパートにサトルくんが引っ越してきて一緒に住んでいます。
――サトルさんは家を引き払ったってこと?
サトル バイト先の寮に住んでたんです。もともとは学生専用マンションに住んでたんですけど、留年して親にもう仕送りしてもらえなくなって住むところがなくなり、長くバイトしている中華料理屋の店長に言ったら「うちの社員寮が一部屋空いてるよ」と用意してもらって。
――仕送りなくてバイトだけで生活費をまかなってるんですか
まこ 月に19万くらい稼いでるんですよー。私も今は同じ中華料理屋でバイトしてます!
――べったり一緒なんですね。時給聞いてもいいですか?
まこ 私は990円でサトルくんは1040円。サトルくんすごい働いてるんですよ。
――だから留年するのかも。今、大学の何年生なんですか?
サトル 4年生兼7年生です。
――今日の試験に合格していて卒業できるといいですね。サトルさんはまこさんと出会った日のことどんな風に覚えてますか?
サトル 友達に「あの子、声かけてあげてよ。チャンスチャンス」って言われて、じゃ行ってくるかって。
――そしたら持ち帰られて。
サトル うん。
――初対面の人とセックスすることってそれ以前にもあったんですか?
サトル ないです、そんなの初めてです。
――彼女がいたことは
サトル ありますけど、その時はちょうど1年半くらいいなくて。
――初めて恋愛で人と交際したのっていつでした?
サトル 高校3年生でした。初体験もその子で。
――まこさんと出会い頭でいきなりセックスしてしまい、でも二度目のデートの誘いをしたのはサトルさんだと伺いました。なんでLINEしたんですか?
サトル 楽しかったから。
――サトルさんはまこさんのどんなところが好きなんですか?
サトル どんなとこだろう? 優しいところかな。怒ってない状態だと基本的に優しいんで。
――怒ってないっていうのは、嫉妬したりとかしてないとき?
サトル そういうモードじゃないとき、通常モードのときですよね。
まこ それは私は、好きな人だから優しいと思うわ。好きじゃない人には酷い女だから。
――最初に会ったときから、優しかったんですか?
サトル 優しかった。でも頭はおかしかったですけどね。もう明け方なのに、セブンイレブンに寄るって。いや、まずクラブ出た隣のローソンで1本「飲めー!」て発泡酒を飲まされ、セブンイレブンでまた1本買って飲まされ、その時にお腹減ったって言いはじめてうまい棒を5~6本買って。その時に、頭おかしい人なのかなって。で、何回目かのデートで近所のラーメン屋さんに行ってお腹いっぱいだったはずなのに、食べ足りないって言い始めてまたセブンイレブンに寄ってうまい棒を。なんかあったらうまい棒を買う女性ですね。
――まこさんに、初対面なのに家に連れ込まれたことについては別になんとも思わなかった?
サトル もう僕も眠かったんで、全然エッチしたいとかそんな気持ちじゃなくて。家についたのが5時半で仕事が10時からだったんで、9時に起きなきゃいけないから3時間か~って寝ようとしたんですよ。でもまこさんがしようってうるさかったんで。もういいやと思って。
――そんな感じだったけど、2回目会いたいなって思ったんですよね。
サトル う~ん、翌朝彼女もキツイはずなのに起こしてくれて、バタバタ準備してくれたりしたんで、優しいなと思って。
まこ 私、清野とおる先生の大ファンで、赤羽に週3で通ってた時期があって、往復で2時間くらいかかるのに。その話をサトル君にしてたんですね、そしたらLINEで「そういえば赤羽連れてってよ」って言われたんです。それで「この人すごい、良い人だな」って……。赤羽って遠いのに(お二人の住まいは神奈川県寄りの東京都です)。
――付き合い始めてからのまこさんの印象って変わりました?
サトル いや、そんなに。最初から優しい人だなって思ってたんで。今も優しいですし。
――同棲のきっかけは?
まこ 付き合うようになって毎日私の家で会ってたので、交通費もサトルくんの寮の家賃ももったいないねって。
――なるほど。実は今回のインタビューって、まこさんがnoteで発表している漫画で「私は性欲めっちゃ強いのにサトルくんは淡白」ということを書いていたからなんですけど、そういうお話をどんどん聞いていってもいいですか?
サトル どうぞ。
まこ どうぞどうぞ。
また四月がくるよ
――付き合い始めは毎日毎日、飽きるほどヤッてたんですか?
サトル そんなわけではないですね。
まこ 付き合いだしたばっかりの頃(去年の2月)はそんなにヤッてなかったよね。でも4月くらいから凄かったんですよ! 1日5回とか! ハムスターみたい、動物みたいな子なんですサトルくん。私はもともと性欲すごくて生理の時以外はヤりたいんですけど、それでもびっくりするくらい。だって生理の時でさえ「ちょっとだけでいいからしたい」と言い出したほどで。でも最近はサトルくん性欲薄いので……また4月が来るのを待ってます。
サトル 我慢しといて。
――椎名林檎の「ギブス」みたいですね。まこさんは今も生理じゃない時は毎日ヤりたいんですか?
まこ 毎日どころか、1日5回やりたい。やってもやってもおさまらないんです。やりたい気持ちが止まらない。食欲って、食べたらおさまるじゃないですか。でも性欲は……良いセックスをしてるからだと思うんですけど、やればやるほど余計お腹が空くみたいな。昨日もおねだりしたけど、試験前だったのもあって「疲れるから嫌だ」って断れちゃって。
サトル ごめんね。
――サトルさんは本当に4月以外は性欲がいまひとつ?
まこ なんか信じられないですよね? だから本当はこっそりオナニーしてるんじゃないかって。
――オナニーは大抵の男性はすると思いますよ。
まこ えっ、彼氏がオナニーするのは嫌じゃないですか?
――オナニー観は女性によるのでは……私は全然嫌じゃないです。まこさんは嫌なんですね?
まこ 貴重な精液を私に使って欲しい。オナニーしつつも私とのセックス回数が変わらないならいいんですよ。でも変わるじゃないですか絶対に。セックスレスになっちゃう。
――まこさんのセックスレスの基準は?
まこ 5日間しなかったらレスですよね。
――や、一カ月に一度もしなかったら、が通常の定義らしいですよ。
サトル 怒り出すんですよ、3~4日しなかったら。「どっかでヤッたんでしょう!」とか言って。
まこ だって制欲たまったままだとストレスになるんですよ、私。だからたとえばサトルくんが病気で5日間できなかったとしたら仕方ないなって思えるけど、バイトの休憩中とかにオナニーしてすっきりしてるせいで私としないとかは許せない。
――落ち着いてください、バイトの休憩中にオナニーしないと思う。
まこ それはそうなんですけど。初めて会った時にサトルくん「俺、別にヤるゴミ箱探してないから」って言ってたし、信じてるんですけど。