カルチャー

両思いは現実、片思いは夢のよう。切なくて苦しい満島ひかりと高橋一生に萌えてしまう/『カルテット』第八話レビュー

【この記事のキーワード】

 確かに、初回からひとつ不思議に思っていたことがあります。真紀の結婚や離婚に際して、実家の両親は何も口を出さないのです。見るからに上品で(劇中でもたびたび上品で綺麗な女性だと言及される)良いところのお嬢さんという雰囲気を醸す真紀だけに、実両親や親戚筋が一切絡んでこないことは不可解でした。すでに親は亡くなり兄弟もいないという設定にしては、その話も特に出ません。そうか、真紀さんは、真紀さんではなかったのか。

 思えばしょっちゅう、真紀は「家族がほしい」と言い、「家族」にこだわりを見せていました。元夫さんとの結婚も、カルテットでの共同生活も。安心できる居場所が欲しい気持ちは誰だって少なからずあるけれど、おそらく真紀はそれが強かった。何かに追われていたから?

 殺人事件を起こしたと勘違いし空騒ぎになった際、夫さんに「こんな人間(=自分)の人生なんかいらないもん」と言い放ち一緒に逃げよう、と誘った真紀。鏡子は息子と離婚した真紀に「自分の人生を生きてください」と言いました。彼女の本当の人生って?

 まさか主人公といえる登場人物が、別人になりすまして生活していたなんて、最大のどんでん返し。振り返れば伏線はゴロゴロあって、時間軸問題が解決したとはいえ、もう一度第一話から録画を見返したい衝動に駆られます。

 次回予告では「私は、早乙女真紀ではありません。本当の私は―――」という真紀の台詞が入っていましたが、明かされるのかどうかも現時点ではわかりませんね。全十話とのことで、放送はあと二回。別荘の売却は着々と話が進んでいて、最終的に4人はバラバラにならざるを得ないでしょう。最終話の最後の一瞬まで、カルテットから目が離せません。視聴していてナポリタンとたこ焼きを激しく所望した第八話でした。

▼大量の謎と伏線を散りばめた大人ドラマのはじまり/『カルテット』第一話レビュー
▼松田龍平のストーカー告白、ずるい濡れ場!「捨てられた女舐めんな」「今日だけのことだよ」/『カルテット』第二話レビュー
▼家族を捨ててもいいし、会いたくないなら逃げていい。/『カルテット』第三話レビュー
▼満を持して高橋一生回!夫婦とは、結婚とは、離婚とは…「男って他人の言うことは信じるのに、妻の言うことは信じない」/『カルテット』第四話レビュー
▼面倒な母からも妻からも逃げた「夫」がついに登場/『カルテット』第五話レビュー
▼夫婦が結婚生活を続けられなくなった理由を、これ以上ない説得力で伝えている/『カルテット』第六話レビュー
▼すれ違いを自覚した夫婦が、相手の幸せを願ったら/『カルテット』第七話レビュー

<そのほかのドラマレビューはこちら>

東京タラレバ娘 (ファンタジー展開は勘弁して~~~)

A LIFE~愛しき人~ (今までの「THE・キムタクドラマ」とは違う群像劇!)

突然ですが、明日結婚します (先の読めすぎる展開と背景にある「結婚観」に辟易…)

奪い愛、冬(最終回も見事な修羅場っぷりでした!)

バイプレイヤーズヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~ (かわいい、かわいい、かわいい)

1 2 3

中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー