ただ、その判断ができない女性がいるのも事実。早乙女先生のところには、セックスに苦手意識がある女性からの相談も多いといいます。そういった相談にくる大半の女性は、自身の体を知らないそうです。
とある70代の女性が「自分の膣の前の方にデキモノができた。自転車にあたるんです」と打ち明けられたところ、デキモノではなくクリトリスだったとのこと。加齢により皮下脂肪が落ちて、クリトリスが自転車に当たるようになったそうですが、その女性は70年間、自身の体を何も知らずに生活していたのですね。
「なぜか女性の性器はワイセツ物扱いになっています。隠して、触れてはいけない場所だけど、セックスはしないといけない。そう思うとセックスはどんどんむずかしくなっていきます。
まずは自分で体に触れてみる、知るようにする。もっと性を日常的なものと考えて、性の健康を考えること。大人の女性は自分の体を知っているものです。自分の体は自分で管理しましょう」
自分の体を知らなければ、相手に伝えることなんてできませんし、セックスが楽しいと思うことはますますむずかしいですよね。
射精は健康維持につながる!?
早乙女先生の講義後は、永井先生による男性の体に関する講義へ。
永井先生の講義では、男性の射精に関する都市伝説も例にあげつつ、ユーモアを交えながら男性の勃起や射精のメカニズムから、ED治療薬、また射精が男性の健康において大きな役割を担っているということまで解説されました。
「赤い球が出たら終わるという話があるが、精液に打ち止めはないです。どんどん射精すべき。いい歳をして射精なんて、というのは間違い。いい歳だからこそ射精してください」
私はこれまで男性の射精について考えたことがほとんどありませんでしたが、医療的な見解から健康のために大事なことだと知ると、女性にとったはとつい軽んじがちな“男性のマスターベーション”も違って見えてまいりました。女性の皆さん、ゴミ箱のティッシュの塊も優しく見守ってあげましょう。
最後に早乙女先生のお言葉を拝借して。
「妊娠、避妊すべてを医療技術によってコントロールできるようになったとき、妊娠を考える必要がなくなったとき、セックスはどのような存在になるのか? “女性らしさ”とはなんなのか? 自分の性を改めて考える時代になるのではないのでしょうか」
そんな時代が、そう遠くない未来にやって来るかもしれません。セックスが楽しいか楽しくないか、気持ちいいか気持ちよくないか、だから自分はどうしたいのか、自分の性は自分で決めていきましょうね。
(イライザ)