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わずかな所持金で韓国留学。出会い系で同棲相手を見つけるアラフォー女性たち

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Photo by lamoix from Flickr

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 一時期ほどではないとはいえ、円安ウォン高の影響で、韓国へ語学留学する日本人女性はそれでも後を絶たない。「韓国語を勉強して、おいしいものいっぱい食べて、筋肉ムキムキの韓国男と出会って、あんなことして、こんなことして~」なんて妄想しながら、大きなスーツケースを抱えはるばる韓国までやって来る人が大半だが、中には“身ひとつ”で来た強者もいる。

 地元の千葉で10年以上OLをしていた彼女は、初めての人に会うと「シャネル好きなんで、私のこと『シャネル』って呼んでね」と自己紹介するのがお約束だった。ちなみに彼女がシャネルのバッグやアクセサリーを身につけてるところを一度も見たことない(笑)。年齢はぜったいに教えてくれなかったが、ミニスカートから出た膝のたるみと、昔ながらのがっつりメイクに、仲間内では「アラフォーだな」ということで意見がまとまった。

 そのシャネルちゃん、彼女がまさに“身ひとつ”で韓国にやって来た人だ。長く使っているのだろう、ボロボロでヨレヨレになったヴィトンのスピーディには、財布、化粧ポーチ、キティちゃんの手鏡とタバコのみ。ほんとにそれだけの荷物で1年間留学するため韓国に来たって言うんだから、いくらなんでも身軽すぎる。生活用品は現地調達するにしても、服や靴はある程度必要だろう。

 所持金は5万円弱。それじゃアパートも契約できないじゃん! 「家は日本にいるときに見つけたの~」と舌足らずなしゃべり方で話すシャネルちゃん。聞けば出会い系サイトで知り合った男の家に暮らしているという。

「韓国に来る1週間前、日韓交流サイトでちょっと良さそうな男の子を何人か見つけて、『韓国で生活するおうちがないの……』とメールしたら、みんなからすぐに『うちで暮らしましょう』って返事が来たよ。何人かは家族と同居してたからパス。語学学校から一番近くて、友だちとふたりで暮らしてる20代の彼に決めたの」

 韓国初日、迎えに来てくれた空港で彼と初対面。「写真とはやっぱり印象違ったし、背も思ったより低くて驚いたけど、悪い人ではなさそうだった」とシャネルちゃん。いやいや、向こうだってあなたを見て多少は驚いたはずよ。がっつりノーズシャドーの歌舞伎メイクと、ミニスカートにハイソックス姿の、いい年をした女性なんて、韓国にはいませんから(笑)。

「彼の住んでる家に連れて行ってもらったら、同居しているはずの友だちがいなくて……」

 ちなみにシャネルちゃんの韓国語は初級レベル、お相手の彼の日本語も初級レベル。どうにかこうにか会話はしているが、意思の疎通ができないこともしばしば。

「最初から友だちと暮らしていなかったのか、私が来るのに合わせて出て行ったのか、まっ、それはどっちでもいいんだけど。家もキレイだし、『家賃もいらない』って言ってくれたから」

家賃の代わりにデリヘル役を

 あまりに都合のいい話、彼の側に何か思惑はないのだろうか?

「日本にいる時から、『家賃はいらないから、俺と付き合ってほしい』って何度もメールで告白されてぇ~、『それは会ってから決める』って返事したんだけど、韓国に着いてからも、家まで向かうバスの中でずっと『付き合って』と言われ続け、家に着いた途端に後ろからハグ。びっくりしちゃった」

と笑うシャネルちゃん。それから3日間は「お預けよ」状態にし、4日目で初H。彼がどんだけ興奮したのかは、いちいち聞かなくても分かる。

「彼は電気工事の仕事をしてるんだけど、初めてHした次の日から『仕事行きたくない。ずっと一緒にいたい』とか言い出したりして、正直ちょっとうざかった(笑)。でも毎日3万ウォン(=約3000円)ずつおこづかいもくれるし、ご飯代も全部払ってくれるから、細かいことはガマンしないと」

 この話を聞いたのが、シャネルちゃんが韓国に来てまだ2週間の頃。「すっごく優しくて、何でも言う事を聞いてくれる」という噂の彼にも会わせてもらったが、シャネルちゃんに「お肉食べさせて」と言われ、サムギョプサルを片手に彼女の口まで運ぶ彼が一瞬見せた表情がものすごく怖くて、一緒にいた友だちと「目の奥が笑ってない」と話していたことを覚えている。

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