でも女性による応援は「そこまで」だと思っています。番組ではコムアイさんもリボンを投げていましたし、私もちょ~っとだけやってみたい気持ちはあります。が、それはやはり「出すぎた行為」だと思うのです。
ストリップは踊り子さんである女性と観客である男性とで作り上げてきたもので、私は女性の観客として、そこに「お邪魔している」という感覚でいます。ピンク映画をかける成人映画館においても、それと同様。今年に入って、ゲイピンクを専門にかける映画館で1日だけ特別に挿れてもら好機に恵まれましたが、通常のピンクもゲイピンクも“男性の禁断の世界”。スミマセンちょっとだけいさせてくださいね、という意識でその場にいます。
先ほどリボンを大向うに喩えましたが、歌舞伎でそれをやっていいのは基本、男性です。その理由として、女性の声が入ると相対的に女形が演じている声が「女の声」ではなくなってしまうから……という説を聞いたことがあります。決して女性を排除するという意味ではなく、男性が女性を演じるという特殊性の強い舞台を鑑賞する際のマナーだと思うのです。
歴史ある文化を尊重する
同様に、宝塚歌劇団を好きな男性もきっといると思うのですが、大きい&野太い声で歓声をあげたら、違和感しかないですよね。夢の世界に浸っていたいのに現実の男性の声を耳にすれば、それが醒めてしまいそうです。
だからストリップ劇場での私は愛好者のひとりではあるけど、常に「お客さん気分」。これまで多くの人が長い歴史(ストリップが生まれて70年だそうです)をかけて作り上げてきた文化を壊さないためにも、その線引は忘れないようにしたいと思っています。だから、自分が通っておいてナンですが、これ以上女性客が増えないほうがいいような気すらしています。
なかには、女性客を歓迎しない踊り子さんもいらっしゃいますしね。ちなみにタモリ倶楽部で出演されていた踊り子さんは、客席に女性を見つけると手を振ってくれたり、笑いかけてくれたりする方でした。
けれどその一方で、多くの女性に一度はすばらしいパフォーマンスと女体をのものの“美”を目撃してほしいとも思っています。この矛盾! 一観客にすぎないのに勝手に胸のうちでそんなせめぎ合いを繰り広げているなんて、ヘンですね。いっそのこと年に数回でも女性限定公演なんてあると面白いのですが……いつか実現することを祈っています。
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