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美人大物女優Xの「女嫌い」の実態…激動の13年間を振り返る

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救世主、登場

 とまぁ、いつも撃沈状態でいたんだけど、ある時、私たち女性記者の窮地を救うべく、あるオジサマが立ち上がってくださった時があったのよね。それは女優Xさんが主演を務め、局が大金を注ぎ込んだ「社運を賭けたスペシャルドラマ」の記者会見が行われた日のこと。記者会見の後、囲み取材や個別インタビューが行われる予定だったの。本音としては記者会見だけで十分だったのだけど、お付き合いもあって仲良しの記者仲間たちみんなで取材会に向かったわ。案の定、テレビカメラが入った記者会見ではご機嫌で、しっかりPRをし、大爆笑もかっさらい、共演者のベテラン女優さんも彼女を持ち上げ、拍手喝さいの中、記者会見は終了。さぁ囲み取材だと気合を入れ直した矢先、女優Xさんのスケジュールの都合で取材時間が急きょ大変更。

 午前中にすべての取材が終わると思っていた取材陣はみんな大慌て。ドラマの収録スタジオは都心から離れている場所が多く、ちょっと帰ってまた来るというわけにもいかない。いつまたスケジュールが変更されるかわからないし、常に待機していなくてはならないのね。あっちこっちから会社に連絡する緊迫した声が聞こえ、とばっちりを食ったカメラマンも途方に暮れた顔。しかしこんなことはよくある話だからじっと我慢。

 察しの良い局から「お待ちいただくのだからランチでも」という話が出て、近くのレストランを貸し切っての突然の豪華ランチタイムが始まった。人間、お腹がすくと機嫌が悪くなるしね。テレビ局も太っ腹よね。そんなこんなでお腹いっぱい&眠気も増してきた待ちに待った昼下がり。そろそろかと思い取材準備を始めると、申し訳なさそうな宣伝部さんから「あの、取材がどうやら夕方になりそうなんです~」との悲しいお知らせが。みんなアゼン。だがしかし、こんなこともよくあること。こうなったら仕方ないと腹をくくり、ひたすら待つ。今ならブルゾンちえみのように「待つの!」とか言って笑って待っていられただろうけど、少しずつみんなのため息が大きくなっていった。

 そうこうするうちにいつしか夕方は過ぎ、局から今度は豪華な夜用弁当が配られた。しかもおやつ&デザート付き。もしや取材は夜どころか夜中? なんて不安が渦巻く中、女優X様がようやくそのお姿をお見せになった。待つこと10時間。やっと、やっと巡り合えたその時の彼女のお顔は……眼光鋭く眉間にはシワが寄り、なぜかとってもご機嫌ナナメ。えっ、え~っと、アナタ様を10時間ほどひたすらお待ちしていたのですが……なんて間違っても言えないし、取材前に疲れ切っていたみんなの心はポキンと折れかけた。

 しかしそこに救世主になるべく、局の比較的エライ方が登場されたのだ。私たちの意をくんで、ピリついたその場の空気を変えてくださる……ハズだった。その局は彼女の弟さんが勤務していた縁もあり、オジサマはここぞとばかりに弟さんの話を切り出したの。女優Xさんが弟さんを可愛がってる話はよくしていたし、オジサマはよかれと思い「彼が入社して初めての部署が僕のところでね。『女優の弟ですから』って言うのが口癖で……」と懐かしがりながら楽しそうに話し始めたあたりで、もうすでに空気はヒリヒリ。そのうち業を煮やした彼女が口を開いた。まぁ「その節はお世話になりまして」とか言うのがこ~ゆ~場合はフツ~かなぁと思っていたのだけれど、女優Xさんは違う。予想をはるかに超えていく。真顔で「それはそれ、これはこれで」とぴしゃりと話を止めさせたの。確かに数十年前の話だしね。今さら感はあったし、その貫禄たるや、アッパレと言うしかなかったもん。もう「名言いただきました」って感じで震えたぐらい。何があったか知らないけど、取材陣を10時間も待たせておいてこの悪態。「ブレないなぁ、スベらんなぁ」と心底、感心してしまったわ。「年齢関係なく、男性に優しい」の前言撤回。「35億!」の全男性に優しいワケじゃないみたい。

 ただね、本当に不思議なの。世の中のお局様はたいていの場合、容姿的にもかなり痛くて、口がへの字に曲がった不幸顔をしていることが多いわ。だから「きっとたくさんの不満が溜まっているんだろうな。ストレスのはけ口がないんだろうな」と思ってやり過ごすことにしているんだけど、女優Xさんのように恵まれた人が全然、敵にもならない女性取材陣に不機嫌な態度を取るのは、どんな意味があるのかしら? 私たちの何がイケないの? まぁ、他人にも厳しいけれど、ご自分にもきっと人一倍厳しいんだろうなとは思ってるんだけど。泣いてる場合なんかじゃないよね。アツも記者仲間とともに滝修行にでも出て勉強し直してきますので、今後はどうぞどうぞお手柔らかにお願いします。

 最後に、女優Xさんの名前がわかっても皆さん、声に出さずにいてね。また新しいガム、すぐに投下するから、どうか見逃してね~!

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秘密のアツコちゃん

約20年間、アイドル、タレント、女優、俳優、監督や脚本家など、さまざまな業界人とともに仕事をしてきた結果、気づけばとんでもなく情報通に。毎日、テレビ局や出版社、レコード会社や映画会社などに日々出没し、マスコミ界隈をふわりふわりと歩き回っている。