
おめでとう
3月30日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が、同誌調査による『「好きな俳優」「嫌いな俳優」2017』を発表した。読者アンケートおよびメルマガ会員を対象に調査したもので、総投票数は6900通超だったという。
「好きな男優」1位に輝いたのは、昨年圏外から急上昇の玉木宏で票数107。「嫌いな男優」1位は、得票数647とダントツで木村拓哉。前々回からこの順位をキープしている。「嫌い」の2位はもはや俳優仕事は皆無だが子役出身の坂上忍で、3位はディーン・フジオカだった。玉木とディーンは同じNHK朝ドラ『あさが来た』で「文春」読者層の知名度を獲得した模様だが、意外にも評価はまっぷたつに割れている。
しかしそれ以上に驚いたのは、「好きな俳優」ランキングの9位である。「好き」2位は阿部寛、3位に木村拓哉。4位以降は高橋一生、5位堺雅人、6位草なぎ剛、7位菅田将暉、8位山田孝之と“演技派”として評価の高い面々が並ぶのだが、なぜか9位に、山下智久がランクインしているのである。
山下がこのランキングに入ったのはおそらく初。しかしどのような意見が得票につながったのか、記事ではまったく触れられていない。そもそも昨年~今年にかけて、山下が出演した作品といえば大コケした映画『テラフォーマーズ』のみ。一昨年冬の月9ドラマ『5→9~私に恋したお坊さん~』(フジテレビ系)から、一年間はドラマ出演もなかった。それどころか、山下が「アイドル」としてならいざ知らず、「俳優」としての「好き」ランキングに入るほどその演技を評価されているという話はどこからも聞いたことがない。
ただ、山下本人は役者としてもっと成長していきたいとの意欲を持っている様子だ。2013年に音楽番組『僕らの音楽』(フジテレビ系)に出演し、当時放送中だった月9主演ドラマ『SUMMER NUDE』共演者の勝地涼、窪田正孝と対談した際、山下は「俺は特にアイドルだから、やっぱり自分がやる役とかもそんなに激しめのことは出来なかったりする」と二人と自らの役柄の幅を比較したうえで、「でも基本的に役者をやらせてもらうことが好き。すごい勉強になるし、出会いもあったり。難しいけどいい仕事だなって最近特に思う」と語っていた。ジャニーズ事務所に所属するアイドルという立場から、山下はオーディションで役を勝ち取った経験がなく、かねてより親しい勝地に対して「涼はいいよね、オーディションとか受けれるから」と愚痴をこぼしたこともあったという。逆の立場から見れば、「オーディションを受けなくても主役が次々舞い込むんだからお前の方がいいじゃないか」と憤りを感じるかもしれないが、山下には山下なりの悩みがあるということだろう。
そんな山下だが今年は役者づいている。まず4月スタートの連続ドラマ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)にレギュラー出演。7月からは好評だったシリーズの続編となる『コード・ブルー』(フジテレビ系)が放送開始となる。後者もすでに撮影に入っており、役者として忙しい日々を送っていることだろう。一体全体どうして「文春」ランキングに山下の名が入ったのか不明だが、本人にとっては励みになったのではないだろうか。