翌日、黒スーツで身を包んだ6人は会長が指定した薄暗い怪しげな倉庫に出向きます。倉庫に入ると、会長の子分たちが待ち受けていました。そして会長が言葉を発します。「私から聞こう。本当にあの映画、やりたいか?」……声やハットを目深に被ったシルエットは女性。会長は女性だったことに意表をつかれますが、そんなヒマもなく「会長の計画を断りやがって!」と子分が銃を取り出します。大杉さんは「俺が死ぬよ! ここにいるみんなと俺たちの『バイプレイヤーズ』を撮りたいんだよ! それさえ出来れば、俺はどうなったっていいんだよ!」と前に出ますが、「いや、俺が死ぬ! 俺を殺してくれ!」と騒ぎだす6人。会長は「俺が俺がって、いいおっさんが! 喫茶店で会計もめてるババアかよ!」とツッコんでから、「1人死んでもらわないとね。決めなよ、6人で」と指示を出します。「じゃあ、俺たちのやり方で」と6人は輪になり……「死ぬやつ、じゃんけん! 最初はグー!」……いつもゴミ出しを決めていたじゃんけんをはじめ、「あいこでしょ! しょ! しょ!」と泣きながら、じゃんけんを続けます。この姿を見て「もう、いいわ! どんだけバラバラなんだよ! そんなんでよく一緒にいるな! 逆に感心するわ! もう、いいよ。やれば? 好きにしなよ」と呆れた様子でハットを脱いだ会長……天海祐希さん!! 天海さんが“芸能界の裏のドン”だったんですかっ!?
バイプレイヤーたちも、天海さんの姿を見て呆然とする中、「カット! オッケーです! おつかれさまでぇ~す!」と声が響き渡ります。状況が飲み込めず立ち尽くすみんなの前に「いや~ラスト、おかげでいい画が撮れたよ」と現れたのは鬼屋敷監督! 続いて「お疲れ~!」と天海さん。「っていうか、私が会長なわけないじゃない」という天海さん「この展開、どうなってんの?」とまったく整理が出来ない大杉さんに「詳しくは、あの人に聞いて」と天海さんは鬼屋敷さんを指します。この展開は、イチ視聴者としても脳内がついていけません!
「そもそも、フイルムを盗んだのは私なんです」と白状した鬼屋敷さん。1年前、久しぶりに大杉さんに会った時に「残念だけど、誰か違う監督に頼もうか」と言われたことに嫉妬心を抱いてしまった鬼屋敷さんは、上映できないようにフイルムを盗んでしまったといいます。その後、遠藤さんと田口さんが鬼屋敷さんの住む“栗卒村(くりそつむら)”に足を運び「10年越しのラストシーンを鬼屋敷さんに撮ってほしい」と言ってくれたことがキッカケで「撮るなら画期的なラストでなければいけない。6人の本気の姿を収める」と決心したようです。
夏川さんにフイルムを渡し「会長のことを恐れて、自分が盗んだ」と指示したのも、会長からの伝言を伝える役目だった大森さんも、それぞれのマネージャーには芸能界から干されてるように思わせるようスケジュール調整してもらったのも……全て鬼屋敷さんの計画だったのです。「最高でした。3カ月の間に築いた皆さんの絆が感じられて……ありがとうございました!」と鬼屋敷さんは頭を下げます。ようやく状況を把握し、感慨深く鬼屋敷さんの気持ちを受け取ったバイプレイヤーたちは、無事ラストシーンを撮り終え10年越しの『バイプレイヤーズ』が完成したのでした。
撮影後、シェアハウスに帰宅した6人は、リビングで酒を飲みかわしいます。いつもは、ドラマ終了後のオフショット的なこのシーン(この時も役柄とは離れた普通の会話をしています)。家のチャイムが鳴り、「お待たせしました」とリビングに入って来たのは役所広司さん(1話で登場)。「遅くなったけど……『七人の侍』頑張ります。よろしくお願いします!」と6人の輪の中に入り、乾杯をして幕が下ろされました。
つまり、バイプレイヤーズ(と視聴者)は、全て鬼屋敷さんのドッキリ計画に振り回されたのでありました。最初から最後まで、フィクションとノンフィクションが入り混じったような新感覚ドラマでしたが、とにかく毎週おじさま達の戯れシーンが週末の癒しとして最高でした。ありがとう、バイプレイヤーズ!
(ドラマ見届け人:トミジョー)
ー 『バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』レビューはコチラから!
▼第一話レビュー:やっぱり可愛い大杉漣!おじさんたちのテラスハウスが濃くてハァハァする
▼第二話レビュー:とっくりセーター姿に萌え…遠藤憲一VS松重豊“かぶりキャラ”2人のわだかまりが気になる
▼第三話レビュー:勃つ・勃たないで盛り上がるおじさまたちにニヤけが止まらない! 光石研が文春砲の餌食に!?
▼第四話レビュー:寺島進の股間を握る田口トモロヲ、おじさま達の戯れ!
▼第五話レビュー:大杉漣たち名俳優6人の学生服ダンスが可愛すぎる
▼第六話レビュー:今週の萌えポイントはお揃いの白いガウン
▼第七話レビュー:椎名桔平と北野たけしも参戦!? 名悪役の「バカヤロウ」「コノヤロウ」にシビれる
▼第八話レビュー:ションボリLINEスタンプ連打する大杉漣さんが愛おしい・・・
▼第九話レビュー:脳裏に焼きつく…遠藤憲一の金髪&ツインテール!!
▼第十話レビュー:グーパンくらわせ、全身泥まみれ…光石研を追い込む夏川結衣