――生理の出血がない。となると、閉経の時期をどうやって知るのかが気になるのですが……。
「出血の有無では判断できなくなるので、もう少し年齢を重ねたらホルモンをチェックして調べてみようと思っているんです。閉経したら、もうリングは必要ないですものね」
――ミレーナは黄体ホルモンがついているので、更年期の症状を和らげる効果が期待できる、とされるお医者様もいらっしゃるようですが。加奈子さんは更年期を自覚することはありますか?
「最近あるんです。とにかくイライラしちゃうのと、あと動悸が激しくって。ただ子供が4人もいるので、イライラはそのせいかなって感じたりもするんですけれど」
――4人も育てていらっしゃるんですもの、日々のイライラは当たり前だと思います! ところで、4人のお子さまを共に育てていらっしゃるご主人さまとは、仲良しでいらっしゃいますか?
「会話はどうしても子供のことばかりになっちゃいますけど、仲はいいほうだと思います。主人は普段、仕事から帰るのがめちゃくちゃ遅くって。夜の12時を過ぎるのは当たり前なんです。だから平日の子育ては私。そのかわり土日は主人に完全にお任せですね」
――平日深夜まで働いて、土日はお子様の相手をする。すごくタフな旦那様ですね。
10日でも「久しぶり」。セックス充実の19年。
――「セックスを思いきり楽しみたいからミレーナを入れた」とおっしゃっていましたから、加奈子さんはとてもセックスに前向きなように思えるのですが……ご主人がそんなに激務だとセックスする時間が取れているのかどうか心配です。
「そう! そこなんですよ、なかなかセックスの時間が取れないのが悩みで。いま、リビングの隣の和室を主人とふたりの寝室にしているんですけれど……上の男の子たちがリビングで夜中までテレビを観ているんですよ。最悪なのは、そのままソファで息子が寝落ちしちゃったりしたとき。なんでそこで寝るの! セックスできないじゃない! と。まさかそれを言えるわけもないので、またそれでイラっと(笑)」
――お子さんが思春期、そこに日本の住宅事情が重なると、ほんとに夫婦のセックスは難しいですよね。のびのびセックスできる環境にありませんから。「早く自分の部屋で寝なさいよ!」と子供には声を大にして言いたいですね。
「私は各自部屋にこもってほしいのに、なぜかリビングに集まってくるんですね。集まると兄弟喧嘩ばかりしているくせに」
――リビングに集まってくるなんて、加奈子さんのお宅はいいご家庭なんでしょうね。普通、その年代だと部屋にこもりがちなのに。
「そうなんでしょうかねぇ(笑)。でも兄弟喧嘩は多いし。喧嘩が始まるととにかく家の中はしっちゃかめっちゃかですよ。そんなストレスを解消するのが、私にはセックスなんだと思います。だからたとえ子供がソファで寝落ちしているとわかっていても、どうしても我慢できないときはセックスしちゃいます」
――えっ!? ふすま一枚へだてて?
「はい。しちゃいます。主に明け方が多いんですけれど。夜はやはり主人も疲れているので、早々と寝落ちしちゃうことが多いんですよね」
――なるほど~。明け方、どちらが主に動き出すのでしょう?
「だいたい主人が。ゴソゴソっと私の布団にやってきます(笑)」
――ご主人さま、激務なのにアクティブ! もちろん加奈子さんもゴソゴソっとこられてイヤじゃないわけですよね?
「あの……私ね、好きなんですセックスが。それなのに、いまは子供もいるし、主人の帰りも遅いし思うようにできないじゃないですか。もうお互いにどうにも我慢ができなくなると、主人が半休を取るんですよ。それで午前中は家でセックスをして、終わると身支度して外で一緒にランチをして。そこから主人は会社に行くので、私はいってらっしゃいとそれを見送るんです」
――いいですねー。なんて仲良しなご夫婦! 素敵ですね~。
「そうですね、セックスの面では仲良しかも。でも普段の日常生活トータルで夫婦として仲良しかといえば……またちょっと違う気もするんですけどね」
――でも日常生活でいがみあっていると、セックスする気にもなれないかと。
「そうですね、そこはたしかに。嫌い、触らないで、となればセックスはできませんものね。ただ、私も主人もセックスを運動だと捉えている、という面があると思うんです」
――なるほど、運動ですか。ご夫婦のセックスの頻度はどれぐらいですか?
「週1、多い時は週2かな。昨日、久しぶりにしたんですけれど……10日ぶりでしたね」
――10日で久しぶり、ってなっちゃうんですね……。
「はい、あぁやっとできる! っていう感じでしたね」
セックスフルな加奈子さんご夫妻。そのスタイルは新婚当初から変わらないという。ただ、セックスの相性でいうと、最初から抜群というわけではなかった。セックスが好きな加奈子さんと、どちらかというと淡泊だったご主人。擦れ違いそうな相性を「どこが気持ちいいのか」「どうすれば気もちよくなるのか」と話しあうことで歩み寄って行き、最近ではご主人のほうがセックスに積極的になっているという。「確実に気持ちよくなるセックスをしているから、マンネリでも気にならない」と断言する加奈子さん。夫婦という長い時間を共にするパートナー同士のセックスだからこそ、しっかりと話し合うことがいかに大切であるかを痛感した。