ママタレとして芸能活動をする傍ら、アパレル大手ベイクルーズの傘下ブランド「Plage」のコンセプターを務める辺見えみり(40)。彼女は2014年にインスタグラム(以下インスタ)を退会したが、その後ひっそりと復活。鍵付きアカウントで更新をしていたが、気づけばその鍵も外れていた。
インスタ退会時はブログで「今の状況だと、なかなかすべてを常に更新することが難しくて(汗)あと、毎日インスタを見てインターネットばかりやってる自分って?…疑問に思って…。これからはブログだけにしようと思います」と綴っていたが、いまはそのブログすら、インスタとの連携も行われず、スタッフからのテレビ出演のお知らせが更新されるだけの場と化している。時の流れに応じて人の気持ちが変わるのは当たり前なのだが、えみりの気持ちはかなり変わりやすい方だと見える。そんなえみりがコンセプターを務める「Plage」も彼女の気まぐれに振り回されているようで、ブランド立ち上げから4年が経った今、なかなかの迷走ぶりを見せている。
昨年末からえみりは『ヴィンテージ』にハマっている。インスタで着画をアップしていたほか、「Plage」でもヴィンテージアイテムを取り扱うように。ヴィンテージ熱は服だけにとどまらず、食器なども展開。ゴールデンウィークにはヴィンテージショップオーナーとコラボしてイベントも行うようだ。ヴィンテージ熱の高まりが見て取れる。だがこうした展開に、ネット上のウォッチャーたちは「この店、何をコンセプトにして販売して行くんだろうか?vintageと評して、所謂古着を販売したり。また、京都のアンティークショップとコラボしてアンティークの食器販売したり。ちぐはぐな販売です」「プラージュはえみりのファンが支えているけどヴィンテージを着こなせるとは思えない」と喧しく疑問を呈している。
ではヴィンテージ以外の商品はどうか。昨年の春夏に、Plageと同じくベイクルーズが母体の別ブランドで見かけたようなアイテムを買い付けていたり、その別素材をわざわざ発注している様子が伺え、オリジナル商品も、無難なアイテムに混じり、いきなりこんなレオパードコート(しかもパンツもある)がひっそりと並んでいるというチグハグぶり。総じて“どこか別のサイトで見た感”が拭えない。設立当初から散々言われ尽くしたことではあるが、未だにオリジナリティが見えてこないのである。
もちろん、えみり自身は「Plage」に情熱を注いでおり、インスタでは時折、海外に買い付けに行ったときのものと思しきParisの写真などもアップ。コンセプター自ら買い付けにも足を運んでいるようだ。とはいえブランドイメージを体現するコンセプターながら、私服の着こなしは微妙である。このベルトも「30年前に流行った」ような……。ヴィンテージに加えて太ベルトにもハマっているえみりは、たびたび着画でそれを身につけているのだが、ウォッチャー間では「これ、いけてんの?」など厳しい声が目立つ。何よりも気になるのは、「Plage」立ち上げ当初よりも、インスタでの賞賛コメントが減っていることだ。それはえみりも感じているかもしれない。
どうも迷走の背景には、ある人物の撤退が関わっているらしい。立ち上げ当初から「Plage」をともに盛り上げてきたPR担当の女性が、「Plage」から身を引いたのだ。その女性は自らのインスタでこのことを公にしているが、それは随分前から決まっていたことなのだとある。なるほど、えみりはメンターを失っていたのである。
ブログにその女性が登場するのは2014年まで。誕生日パーティを企画するほどだったのに翌年からは触れられていない。かなり早くから意見のぶつかり合いがあったのだろうか。
「よく、辺見の家とかで飲んでいたりしてましたよね。仲間割れとかになったのかな?」
「plageもうダメですね 以前のメンバーえみりがクビにしたから」
ネット上ではこんな書き込みも見られるが、実際にアパレル業界で働く人たちに聞いてみると「えみりには、ファッションビジネスを一緒にやる相手とことごとく決別してきたっていう噂がある」、「今回も結果的に決別したと聞いている」、「何がしたいのか伝わって来ない」などなど評判は散々である。確かに、「Plage」の当初のコンセプトは意味がわからないものだった。
「モダンなPARISに住みながら、生まれ育ったLAの高い空と青い海を想う、29歳の女性が、断捨離で自分に必要な物が見えてきた。シンプルだけどずっと愛せるものと、新しいものとの出会いを大切に、その時の環境、季節、気分で少しづつ成長していくブランド。」
ところがこの文章も、いつのまにか「Plage」サイトからは消滅。現在は「フレンチベーシックにトレンドを程よく取り入れて、今の自分の気分を表現する。そんなスタイリングを提案します」といった非常に無難な文面に落ち着いている。迷走ここに極まれり。
さて、「Plage」の一号店は東京・代官山だったが、同じ代官山にあること、似たジャンルの芸能人がブランドの顔になっていること、という共通項から一時期頻繁に比較対象とされた梨花(43)の「MAISON DE REEFUR」にも、翳りが見えている。客離れの激しさが危惧されているといい、前出の業界関係者は「全然売れていないという噂を聞くし、実際商品にも魅力がない」と囁く。
インスタには服作りからこだわる梨花の様子がたびたびアップされるが、こだわりすぎなのだろうか、2015年4月から「MAISON DE REEFUR」の商品は軒並み値上がりした。同年9月、新たに「LIHUA」ラインが立ち上がる。こちらも梨花がこだわり抜いたオリジナル商品を展開しているのだが、なにしろ高価なのである。サイトを見てもらえればわかるが、タンクトップ14,000円、シルクサテンのキャミワンピが60,000円……。芸能人の立ち上げるブランドの人気は、ファッション性や素材・縫製等へのこだわり以前に、その芸能人への憧れが下支えになるのが常だ。高価で上質な品物なら、わざわざ芸能人ブランドへ行かなくともいくらでも素敵なブランドはある。他方、えみり(の周囲)はそのあたりを分かっているのか、Plageの価格はLIHUAよりはだいぶ抑えめだ。
かつては彼女らのファンで賑わった「Plage」も「MAISON DE REEFUR」も、芸能人としての顔があってこそ……だったのだろうか。ファッション仕事に注力し、メディア露出を抑えている彼女たちだが、結局、テレビや雑誌での活躍なくしてはアパレル業も伸びていかないとしたら皮肉なものである。
(インスタウォッチャー京子)