日テレ水10枠『母になる』。第二話では、結衣(沢尻エリカ)と陽一(藤木直人)の息子・広(道枝駿佑)を7年間育てていたという麻子さん(小池栄子)の存在が明らかになると同時に、麻子さんが広に宛てた世にも強烈なお手紙が晒されました。自分をママ、生みの親である結衣を「新しいお母さん」「何も知らないおばさん」呼ばわりですから、えげつないなんてもんじゃありません。
この手紙を読んで結衣はショックを受けながらも、知らないおばさんでもいい、嘘でお母さんと呼ばれてもいい、と広と暮らすことを決意し、元夫の陽一も一緒に住むと宣言しました。ただし肝心の広は未だに麻子を「ママ」と呼び、こっそり電話しています……。
【試写レポート】テレビドラマにおける母親という存在の描かれ方
【第一話】沢尻エリカ演じるベタベタ清純派の良妻賢母が宿した小さなリアリティ
【第二話】3歳まで育てた産みの母は「何も知らないおばさん」…育ての母の強烈な手紙
「本当のママ」にだけ弾ける笑顔
第三話、ついに麻子が本格的に動き始めます。血縁親子三人で暮らすと決めた陽一、結衣、広。陽一の実家・柏崎オートにて広の13歳の誕生日パーティーを催し、結衣はケーキとスマホをプレゼントしました。スマホを「携帯」と呼ぶ結衣さん、清楚どころか何だか古臭いファッションとヘアスタイルで必要以上のお母さん感を漂わせていますね。訪ねてきた児童相談所の児童福祉司・木野(中島裕翔)は、麻子の行為を公にして裁判で訴えることも可能だと話しましたが、結衣と陽一にそのつもりはないようです。広が生きているかもわからなかった9年間を思えば、この先何があっても大したことじゃない……結衣はそのように考えています。また、3人の住まいは部屋数の多い柏崎オートに決定しました。陽一の母・里恵(風吹ジュン)は陽一のマンション(かつて3人で住んでいた)に移るそうで……住まいチェンジですね。
施設から外出としてやってきた広は、おばあちゃん(里恵)のハグにも応じるし、何でもおいしいと言って食べるし、礼儀正しいし、まさに怖いくらいに素直……。ほんと怖いです、うん。けれどそれは表向きの広であって、麻子ママから手紙で指示された通りに振る舞っているから。本当は麻子ママとまた一緒に暮らしたいのでしょうか?
広の「(お父さんとお母さんは)別れたんじゃ?」の問いかけに、結衣は「少し離れて暮らしていたけど、今は大丈夫」などと答え、離婚していないと嘘をつきます。離婚している=環境が整っていない=整うまで広と一緒に暮らせない、と焦ったんでしょうけど、何でドラマのヒロインってこういう(自分で自分の首を絞めるような)嘘をついちゃうんですかね。
一方、施設に戻った広は、結衣からもらったスマホで早速、麻子ママに電話するんですが、これがもう、めちゃめちゃ甘えまくっています!
広「だってぇ~~」
麻子「ダメダメ、携帯は禁止なんでしょ? 隠れてかけてるなら切るよ(本当に切る)」
広「まじか……(めげずにかけ直す)」
7年も実の親子同然に暮らしていただけあって、どちらもとても自然体です。そういえば、広は麻子といた7年間、戸籍関係はどうしていたんでしょうね、学校とか……。「柏崎さんちで、新しいお母さんとお父さんと暮らすことになる」と話す広に、麻子は「会いに行く。待ってて」と告げました。広「うん!」と、これまためちゃくめちゃ嬉しそうです。麻子ママのことが大好きなんですね。13歳、中学一年生の男子は、個人差が大きいとはいえ、こんなにママ・ママなものでしょうか? もちろん環境が一般家庭と違う(施設に預けられている)ことも大きく関係しているでしょうけど。
広との電話を終えた麻子は、木野と会っていました。えっ? 木野の口ぶりからは、これまでにも麻子と接触した機会がある様子なんですけど、前回、木野は麻子の所在がわからないと言っていたはず。どういうことなのでしょう。それはさておき、木野と話している時の麻子はほぼ無表情で無機質な印象。自分の行為には「無理矢理暮らしたわけでも、騙して育てたわけでもありません。本人が望んだからです」と悪びれず、そこに迷いはなさそうです。2年前、麻子が広を施設に預けなければならなかった理由については、広は知らないし、結衣や陽一にも話していないとのこと(木野は知っています)。麻子にどんな事情があったのか、おいおい明かされていくことでしょう。