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【子宮内膜症篇 最終回!】治ることのない疾患、私はこう付き合いました。

【この記事のキーワード】
大和彩

病気なりに、健康に暮らす。

【前回までのあらすじ】
 子宮内膜症ってね、体に出る症状に加えて、周囲から罹患していることを隠す必要があったり近しい人から心ない言葉をかけられたり、精神的にもつら~い状況に陥りやすい病気なの。悩みを相談できないことからくる閉塞感や病気を理解してもらえない孤独感がつきまとうのよ。
 そのために夢子は精神科とカウンセリングに通い、精神のケアも行うようになったわ。婦人科・精神科・カウンセリングの三つ巴の治療体制で自分の体と心をケアすることで夢子の心身は少しずつ安定していったの。

*   *   *

 今回は子宮内膜症篇最終回! ということで、夢子が内膜症の治療を続けるなかで効果があったことなどをご紹介していくわよ~。あくまでも個人の感想だけど、参考にしてみてね。

唯一無二の、救世主

 子宮内膜症の治療においてコレだけは外せない! 症状の緩和に最も効果があった、絶対的にして唯一の存在といえば、ピルよ。夢子なんか「ピルさまさま~」って拝んでるし、ピルを飲み忘れるということも絶対ないものね。

 ところでさ、ピルは通常、3週間服用して1週間休薬する飲み方だから、それが「ややこしい」といってピルに近寄りがたいイメージをもつ人もいるみたいね。だけど、なにもむずかしくないわよ? 実際に使ってみたらわかると思うけど。1週間飲まないで次週からまた始めるって、これ以上ないほど単純明快だと思うんだけどね。

 ところで、そんなピル、夢子は独自の飲み方をしているの。ピルは1週間の休薬期間中、ミニ月経とでもいうのかしら。消退出血といわれるものが少し起こるの。

 だけど、夢子はほんのちょっぴりでも出血があるとお風呂にも入れないくらいの痛みが出る体質で、休薬期間のミニ月経でも仕事と生活に支障が出てしまうの。だから医師と相談して、休薬なしで連続服用しているわ。

 連続服用でもときどきは不正出血があるのだけど、この飲み方のおかげで出血する頻度はぐんと下がったの。消退出血中でも子宮内膜症の症状がどうしてもツラくなる姉妹は、ピルにはこういう飲み方もあるって知っておいてね。けど自己判断はダメよ、きちんと医師と相談してね!

ピルを飲みはじめて訪れた変化

 ピルを飲みはじめてラクになったことのひとつに、出血が最小限で済むので生理ナプキンを使う量が減ったことがあるわね。それまでの夢子にとっては、365日中365日必要だったものよ。

 生理ナプキンは製品開発が重ねられて、昔に比べ品質は素晴らしいけれど、年がら年中つけるようにはさすがにできていないわ。毎日つけているとどうしても肌が荒れるし、蒸れるし、トイレに行くたび面倒だし、ゴミを出すにも神経を使うわ。いろいろと煩雑なのよね。

 絶対に生理ナプキンを切らさないように常にストックしておく必要もあったから、いつもいつもナプキンばかり買っているような気持ちになってしまって、辟易していたの。

 もう、生理ナプキンばかり大量に買う生活にはうんざり! ナプキン奴隷と化していた夢子がそこから数年ぶりに解放されたとき感じた身軽さは、まるで踊り出したいようなものだったの。

 はぁ~、生理ナプキン越しじゃなくショーツが素肌に直接触れるって、こんなに爽やかだったんだ! そのあまりの快適さから、

「もういっそのこと一生、生理ナプキンを買わずに済ませたい」

という野望を夢子が抱くまでに時間はかからなかったわ。

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大和彩

米国の大学と美大を卒業後、日本で会社員に。しかし会社の倒産やリストラなどで次々職を失い貧困に陥いる。その状況をリアルタイムで発信したブログがきっかけとなり2013年6月より「messy」にて執筆活動を始める。著書『失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで(WAVE出版)』。現在はうつ、子宮内膜症、腫瘍、腰痛など闘病中。好きな食べ物は、熱いお茶。

『失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで(WAVE出版)』