連載

【子宮内膜症篇 最終回!】治ることのない疾患、私はこう付き合いました。

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 インターネットで布ナプキンというものを知ったとき、夢子の背筋に衝撃が走ったわよね。しかもサイトには「布ナプキンをつけて、生理痛の痛みが軽くなった女性も多い」なんて書いてあるじゃない。ピルや痛み止めを駆使しても完全に子宮内膜症の痛みから解放されたわけじゃなかったから、「コレだ!」と飛びついたのよ。

 期待に胸を膨らませてネットから布ナプキンを取り寄せて、ワクワクしながらつけてみたんだけどねぇ、残念ながら夢子の場合は痛みが軽くなるということはなかったわ。効果は人それぞれだものね。

 夢子の意見では、布ナプキンのよいところは「あったかいところ」だそうよ。常に小さいクッションをあてがってるようなものだから、たしかにあったかそうよね。

 ただし、そこに一滴でも血が垂れてしまうと、とたんに氷のように冷たくなってしまうのがやっかいなのよ。だから夢子は、出血がなくて冷えるときは暖をとるために布ナプキンを装着し、出血があるときは使い捨てナプキンをつける、というふうに使い分けていたわ。

痛みとの仁義なき戦い

 そう、夢子にとって下半身の冷えは大敵なのよ。

 アンクル丈のパンツなんか履くと、ほんの少し足首の部分の肌が露出するじゃない。出てるっていっても、ほんの数センチのことよ? だけど、そこに気まぐれな風がヒュッとかかっただけで夢子の子宮周辺の筋肉がガチーン! と収縮して、のたうち回るような痛みのエピソードが始まってしまうの。そしてそれは何時間も、ときには何日も続いてしまうのよ。

 当時の夢子の最大の恐怖は、痛みのエピソードが会社で始まったらどうしよう? ということだったの。「お腹痛いから早退させてください」なんて、とてもじゃないけど言い出せないでしょ。

 そこで夢子は、夏でもフルレングスのパンツにハイソックス、冬はその下にさらにももひき(ユニクロのレギンズ)を着用して自衛したの。スカートは夏であっても禁止にしたわ。スカートを履いたときに何度も死にそうな痛みが起こって、懲りていたから。

 パンツの丈って流行り廃れが速いじゃない。短め丈がトレンドのときは自分の姿がすごく野暮ったくてみじめだったし、たまにはスカートも履きたいなぁ、って思うこともしばしばだったわ。だけど夢子はおしゃれより健康を優先させざるを得ない状況だったの。生活のためよ。

冷えると激痛、だから温めたい

 どれだけ服装に気を遣っても、仕事中、不意打ちで痛みが襲ってくることがあったのよ。席を立ってトイレに行くために寒い廊下に出たときなんかね。

 そんな夢子にとって救世主ともいえるアイテムがあるから、ご紹介するわね。20 20センチくらいのサイズの、小型ホットカーペットよ。

 カバーをかけてあたかも「座布団です」という体(てい)で会社の椅子に置いておき、痛みのエピソードが始まりそうなときはスイッチを入れるの。そうするとね、冷えでガッチガチに収縮していた部分がほわぁ……とゆるんで、痛みがひどくならずに済むのよ。

 夢子は何度このホットカーペットに命を救われたことか!

 ただし、このホットカーペットは電気コードがついていて、コンセントを刺す必要があるから、ちょっと見た目が普通の座布団とは違うわけ。「これ、なんですか?」と隣の席の男性上司に聞かれたこともあったんだけど、夢子は「生命維持装置です」といってお茶をにごしていたわ。

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大和彩

米国の大学と美大を卒業後、日本で会社員に。しかし会社の倒産やリストラなどで次々職を失い貧困に陥いる。その状況をリアルタイムで発信したブログがきっかけとなり2013年6月より「messy」にて執筆活動を始める。著書『失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで(WAVE出版)』。現在はうつ、子宮内膜症、腫瘍、腰痛など闘病中。好きな食べ物は、熱いお茶。

『失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで(WAVE出版)』