
『BARFOUT! 194 藤原竜也』幻冬舎
皆さん、ごきげんよう。アツこと、秘密のアツコちゃんです!
今クールのドラマで早くから注目度の高かった藤原竜也さん主演の『リバース』(TBS系)は見たかしら? 原作は“イヤミス(=読んで嫌な気分になるミステリー)の女王”こと湊かなえさんだからハズレなし! と踏んで、アツもずっと前から楽しみにしていたのよね。今までも同枠では湊さんの作品『夜行観覧車』や『Nのために』を放送して毎回話題にもなってたしね。今回も初回視聴率10.3%と出だしは上々。湊さんが「どうしたらあの“衝撃的なラスト”をお届けできるか考えながら、まさにリバース書きをしていったんです」と言ってらしたから、先に原作を読みたくなる衝動を必死で抑えつつ、集中してドラマを見てみたの。
ストーリーは藤原さん演じる地味なサラリーマン・深瀬が、10年前に事故死した親友の“死の真相”を突き止めていく究極のヒューマンミステリー。共演は戸田恵梨香、YOU、小池徹平、片平なぎさ、市原隼人、門脇麦、三浦貴大、趣里(水谷豊の娘!)、村井國夫、玉森裕太、武田鉄矢という、とってもとっても濃いメンツ。謎だらけの湊マジックにハマってすぐに作品に引き込まれていったんだけど、深瀬の亡くなった親友のお母さんを片平さんが演じてらして、愛する息子のお葬式で悲しみにくれるシーンが流れた瞬間、不覚にも片平さん主演の大人気ドラマ『赤い霊柩車シリーズ』(フジテレビ系)を思い出してしまって……。皆さん思い出さなかった? 大村崑さんや山村紅葉さんを探さなかった?
さらに事件の謎を解くべく深瀬たちにしつこくつきまとう元刑事のジャーナリストとして武田鉄矢さんが出てきた時は、もうまんま『3年B組金八先生』(TBS系)が降臨していて、今にも髪をかき上げるんじゃないか? かき上げる髪の毛はないけど……と気が気じゃなかったわ。とはいえ、ドラマ自体は上質でみどころ満載。これからの展開がすごく楽しみなんだけど、どことなく漂うデジャブ感……そういえば1年前、藤原さんの主演ドラマ『そして、誰もいなくなった』(日本テレビ系)も同じようなテイストのミステリーだったなぁなんて思い出しちゃったのよね。2016年と言えば、偉大なる演出家・蜷川幸雄さんが亡くなって、蜷川チルドレンの代表格でもある藤原さんがむせび泣きながら読み上げた弔辞が感動的で、あの姿がいまだに忘れられないのよね~。
……って、またまた話があっちへこっちへで、前置きがなが~くなっちゃったけど、今回は藤原竜也さんとの思い出をちょっとだけリバースしてみようと思うの。
えっと、アツが藤原さんを初めて取材したのは、今から20年前の1997年頃。藤原さんが蜷川さん演出の舞台「身毒丸」に出演して、華々しいデビューを飾り、連ドラにも少しずつ顔を出し始めた頃だったわ。新人俳優として世に出たばかりの彼はまだピッチピチの(!?)15~16歳。蜷川さんの推しメンだし、「天才俳優、現る!」なんて評判も聞こえてきてたから、とある連ドラ出演中に東京郊外のロケ地へと足を延ばしたの。