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ウブ女が奮起、うさちゃんバイブを開発! 働く女の応援ラブコメムービー

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©映画「ラブクラフト・ガール」

©映画「ラブクラフト・ガール」

 みんな~、バイブ、使ってる?

 うんうん、どっちでもいいよね。もうきかない。でも、バイブやローター、ローションなどのラブグッズのおかげで、悩みを解消して晴れやかな気持ちになりました、っていう女性も少なからずいるんだ。

 そんな女性たちの「救い」と言ったら大袈裟かもしれないけれど、ラブグッズを専門に取り扱う企業もこの広い世界には存在する。かつては「ジョークグッズ」という扱いで、男性が女性に対して使うモノだったグッズを、「女性が痛くない、気持ちいい、安らげる、自信を持てる」などの観点で企画開発し、売り出しているラブグッズ企業。そんな会社に飛び込んだ、ローターのロの字も知らないような新入社員の奮闘を描いた映画『ラブクラフトガール』が、現在公開中だ。劇中ではバイブがウィンウィンうなったりするけれど、ベースはラブコメでなんだか爽やか。さてさて、ちょっと見てみましょうか。

使えない勘違い女にイラッ!

 デザイナー志望の26歳・茜はある日、突然のリストラによって無職に。打ちのめされた彼女が、まだ明るい時間に帰宅すると、結婚予定だった彼氏の浮気現場に遭遇! まさにダブルパンチ。仕事と恋人、そして同棲していた家まで失った彼女は、女友達のところへ転がりこむも、貯金も底を尽きてしまう。本格的な就職活動をせねば……!

 そして就職情報誌を片手に応募したのが、デザイン・企画開発担当者を募集していた「ラブクラフト社」。一体どんな会社なのか事前予習もせずに面接に臨み、「デザイナーになりたいんです! ここで働かせてください!」と頭を下げる茜の無鉄砲さには呆れるが、なぜか採用になる。

 入社してから、ラブグッズを取り扱う会社だということに気付いた茜はがっくり。いやいや、フツーに考えて、事業内容くらい予習しておこうよ、というツッコミはとりあえず置いておいて。つい先日まで男と同棲していたくせにローターの使用方法も知らないってどーゆーこと、というツッコミも置いておいて。頭を下げて入社したにもかかわらず、どうにもヤル気のない茜に、まんこを「ムスメ」と呼ぶような先輩女性社員や、クールなイケメン教育係は当然、冷たい。

 新作バイブのデザイン案を求められれば、到底、膣に入らないようなマグナムサイズの男根を粘土で造形する茜は、確かにヤル気がなさすぎる。かなまら祭りか。まあ、どれだけラブグッズ開発に真剣に取り組んでいても、さすがに居酒屋でバイブを大量に取り出してみんなで語り合うラブクラフト社社員たちも大概だが。そんなノリについていけず、ただただドン引きして馴染めない茜は、バイブの電源スイッチをOFFにする方法すらわからない。どこまでもウブだ!

©映画「ラブクラフト・ガール」

お前、それでイケんのか?(©映画「ラブクラフト・ガール」)

 こうした新人奮闘モノのストーリーは、前半で主人公にイラッとしまくるのが常。本作も例にもれず、茜にはひじょ~にイラッとさせられる。新垣結衣や石原さとみがやりがちな役、とでも言おうか。「お前、仕事する気あんのか?」と詰め寄りたくなるパターンだ。そのくせ自意識だけは肥大化していて、「私のやりたいことはこんなのじゃない! デザイナーになりたいのに!」と本人は被害者気取り。当然、作中でも他の社員たちから茜へのダメ出しが入る。中村倫也演じるクールなイケメンが

「イヤイヤやってる奴に教えてもムダだし。いるだけで迷惑」
「商品のことも知ろうとしない奴がデザインやりたいとかありえねえだろ! どうせやめるんだったら、さっさとやめてくれ」

 とズバッと斬ってくれるところは痛快だ。その通りだ、よく言った。

仕事を頑張ったら恋もついてきた♪ なウラヤマ展開

 その後もいろいろあって、仕事で大失態を犯してしまった茜は、ユーザーの感謝の声に耳を傾けてようやく「ラブグッズの存在意義」に気付き、奮闘。バイブやローションを使うことを「恥ずかしい」と思っていた茜が、セックス時の痛みや辛さに悩んでいる女性にとって自社の製品がどれだけ心強いものか、やっとわかったのだ。ええ話やん。深イイやん。

そしてついに、自身のアイディアが反映されたうさぎ型ローター「ラブうさぎ」を開発。この商品、実際にラブクラフト社のモデルとなっている「LCコスメ」で販売されているもののようで、こんな形状です。

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ぺろり~ん

 両手、両耳、舌までプルプル動いてアソコを気持ちよくしてくれるうさぎちゃんですが、どーやって使うのかというと、セックス時に彼が竿に装着するんです。え~、いいな~。ま、そんなこんなで徐々に会社に溶け込んできた茜。しかし最後の最後で、企業の存続を揺るがすような大事件が勃発して……。え、どうなるの? どうなっちゃうの~?

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 ラブグッズを扱っているものの、観終わってみれば全編通して爽やかな映画だった『ラブクラフトガール』。何よりね、クールな先輩社員役の中村倫也くん、かっこええわー。主人公ってば飲み会で酔い潰れて、自宅のベッドまで運んでもらってうらやましーねー。会社でそんな展開、なったことねーよ!! 頭ポンポンされてーよ!! つーかキスくらいしてけよ!! 筆者はふだん、ドラマなどを滅多に視聴しないため、久しぶりにこういうヤリそうでヤラないちょい胸キュンな展開を見てときめきました。ラストはうっすら「リア充爆発しろ!」という気分になりましたが。ときめき&潤い不足の女子にオススメですよ~♪ あー、ローション買おっかな!
(まい竹城)

■『ラブクラフト・ガール
■ヒューマントラストシネマ渋谷にてレイトショー上映中、全国順次公開予定
■配給・宣伝:CURIOUSCOPE
■出演:安藤聖、中村倫也、羽鳥名美子、黒瀬友望、千葉雅子、矢柴俊博、木野花 
■監督:平林克理(『ペンギン夫婦の作りかた』)
■製作:エルシーラブコスメティック

2013年 / 91分 / カラー / ステレオ / 16:9
© 映画「ラブクラフト・ガール」
公式サイト:http://www.lovecraftgirl.com/