赤西仁「信じられる人と信じられない奴の見分けはついていた」
思えば仁くんはデビュー前から「音楽性の違い」を訴えていて、当時はまったく書けなかったんだけど「歌は大好きだけど、俺はアイドル向いてない。ドラマも向いてない」って言ってたの。『ごくせん』の後に単独で出演した『anego―アネゴ―』(日本テレビ系)もとても評判が良かったのに、本人は全否定。撮影中は当時お付き合いしていた噂の彼女にずっと電話をしていて、ロケ先でも収録の合間でもあまりにしょっちゅう電話してたから笑っちゃったんだけど「電話中の俺、写真撮って。CMくるかもしれないでしょ?」なんて余裕の発言をかましていたの。後日、本当にドコモのCMが実現したんだからアッパレとしか言いようがなかったわ。
仁くん自身は真っすぐな人で、取材で喋らせるのはみんな苦労してたけど、それは「嘘はつきたくなかったから」なんだって。もともと正直な人なのよね。初めからアイドル業にも俳優業にも疑問を感じていたのに「白々しい抱負なんて語れね~」って。メンバーやスタッフとも少しずつだけど確実に距離が開いていって、最後は「辞めると決める前から、信じられる人と信じられない奴の見分けはついていた。俺はもう自分を騙せないし、自分の道を進むと決めたから後悔はしない。そのために貯金だってしてるんだから」と話していて、真剣だったんだけど、「貯金」の二文字が出た時には何だか可愛くて、いじらしく思えちゃったわ。
でも強い決意は伝わってきたから「脱退発表」をドキドキしながら待ってたの。その後も急な入籍&懐妊報道が続いて最後までお騒がせの問題児くんだったけど、偶然にも入籍の翌日にインタビューをした時、入籍に関してはまったく知らなかったのに、何だかちょっと彼の様子がいつもと違っていたから「仁くん、何かあった?」と聞いてみたら「何で? 何で? 俺、何か変? とにかくもう少し待ってて!」とアタフタ慌て始めてね。ポーカーフェイスを気取るわりには照れ屋で表情に出ちゃって、いろんな思いがうっかりポロポロこぼれ出ちゃうところが、人間らしくて魅力のひとつでもあったのよね。仁ファンの皆さんはそんな生き方がヘタクソで馬鹿がつくほど正直な彼をちゃんとわかっていたから、それからも応援し続けたんだと思うの。今では山田孝之くんとの交流や可愛がっている弟・礼保くんとのこと、音楽活動についてもSNSに投稿したりして、毎日ファンはドッキドキ。本人発信で近況が知れるって、何より嬉しいものね。