ヤバいんじゃないの系としては「卒業アルバム」。5000円以上から数万円で取引されている。顔写真つきの個人情報流出なんて本当に怖すぎるが、すでに売れているものもあった。広島県の三原市立南小学校を86年に卒業した人たち! 気をつけて! 卒アルは風俗で働く時に身分証明代わりに使うこともあるというが、そうした風俗経営業者がキャスト用に買うのか、名簿屋が買うのか、卒アル蒐集家が買うのか……最後のならまだいいが。

アウトだ

名門大学は高い
使用済み下着もある。「読者モデル」と自己紹介欄にあるアカウントがパンツやブラジャーをいくつも出品しており、クリーニング店で綺麗にしてもらったというレシートも写真に写っているが、大量のパンツをクリーニング店に持ち込む勇気、一目置きたいところだ。ただ、クリーニング費用を考えると利幅はさほど大きくない(ブルセラ目的なら価値も下がるし)。それなのに使用済みパンツを売るそのメンタリティがよく分からない。これもプレイの一環なのか。「使用済み」キーワードで検索すると学制服なども出てくる。もちろん、おさがりとして自分の子供のために、という動機で買う親御さんもいるだろうが、性癖でこれらの商品を狙う人もいるはずであり、そこに若干の恐怖を感じる。「カワイイ」と人気の学校制服(女生徒のもの)はひょっとしたらそうした愛好家の落札を見据えているのか、強気のお値段で出品されているものが多い。
他のオークションサイトにも見られるが、瞬間的に品切れになったものや、その価値が高まったものを買いだめして転売するアカウントももちろんある。たとえば少し前にジャガイモ不足のため製造停止が公表されたピザポテトは、今たくさん出品されている。それにしても堅あげポテトとセットで6つ1999円ってさすがに高すぎだ。はじめまして。図々しいお願いで恐縮ですがこちらいくらかお値下げ可能でしょうか?
ただ、基本的にメルカリは、家庭にあった不要なものを売ったり、ハンドメイドの雑貨や服などを売ったりしているユーザーの数が多い。幼稚園の入園や就学準備の際などはとても重宝しそうだし、不用品や手作り雑貨などを売り買いするぶんにはけっこう楽しそうな場に見える。趣味で作っているヘアゴムやアクセサリーが1個300円程度で買ってもらえて、しかも喜んでもらえたりする。
だが、こうしたハンドメイド系にはスピも潜んでいるので要注意である。妙ちくりんな前向きポエムを描いて売っているもの、パワーストーンのブレスレット出品、またはそこそこ(5000円とか)のお値段をとって恋愛鑑定など占いをするもの、などなど何でも揃っているので、スピ好きには天国のような場所かもしれない。この場所で妊娠米が売れる理由が実によくわかる。急激にウォッチャーが増加し厳しい目が注がれているメルカリ、今後はこれほどになんでもアリとはいかないかもしれないが、これからも定期的にメルカリの珍妙な出品物や出品トレンドをウォッチしていきたい。
同時に今回の「#フリマアプリ界の西成」関連の出品物からは、メルカリユーザーの一部に首の回らない多重債務者や、本来無料の配布物も有料で売る手間を惜しまないほど「けち」あるいは困窮したユーザーの存在を可視化させることになった。これ自体は貧困問題として別に考える必要があると思う。現金やクーポン券を出品しているのが一般の個人ユーザーではなく、貧困者を探して食い物にしようとしている集団だったとしたら、そうした商品の購入者に追い込みをかけかねない。他のオークションサイトよりも気軽に出品・落札できること、ユーザーインターフェースの使い勝手の良さなどから流行しているメルカリだが、ちょっと気軽に利用はできない。ウォッチするにとどめておく。
(メルカリウォッチャ〜京子)
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