11月18日にTBS系で放送されたドラマ特別企画『時計屋の娘』で、出世作『1リットルの涙』(フジテレビ系)での清楚な演技を彷彿させる好演を評価された沢尻エリカ(27)。番宣にも協力的で、バラエティ出演の際にもかつてのケバケバしいメイク・衣装および傲慢な“エリカ様”然とした態度はすっかりナリを潜めていた。
そんな沢尻が、27日発売の「an・an」(マガジンハウス)で表紙と巻頭インタビューを飾っている。今号のテーマは“スッピン”。沢尻自身もスッピン風メイクにシンプルなタンクトップと白シャツという衣装を身にまとい、自然体を意識した写真となっている(ちなみに撮影はレスリー・キー)。そのインタビューが興味深い。
整形を繰り返したケバいメンヘラ女を熱演した映画『ヘルタースケルター』以降、長期休暇をもらい「山や海など自然の中に出かけてリフレッシュ」したという沢尻。童顔がコンプレックスで過去には「背伸びして」大人っぽいメイクや作り込んだメイクにハマッていたが、今は素の自分を受け入れ、「日焼け止めとマスカラだけでメイクは終わり」だという。生来は強い天然パーマヘアーのようだが、縮毛矯正にパーマやヘアカラー、アイロンでのスタイリングを繰り返していたかつての沢尻の髪は、芸能人とは思えないゴワゴワな印象だった。しかし現在は「私の髪って細くて傷みやすいから、しっかりトリートメントをして乾かしたらそのままに」と話しており、確かにシャンプー・トリートメントのCMに出演しているにもかかわらず、切れ毛だらけの傷みまくった髪をさらしていた数年前と比較すれば健康的な髪を取り戻したようだ。
さらに、スキンケアもヘアケアもオーガニック製品を愛用しており、「あとは自然の中で過ごしたり、ヨガをしたり、心と身体のデトックスを上手にするのが一番だなって」と、同誌のテーマに沿った100点満点の受け答え。おまけに料理の話や「家にいるのが大好き」と家庭的な一面までアピールし、“今までの沢尻って何だったの?”と矛盾を抱かずにはいられない。
極めつきは、「沢尻さんにとって恋とは?」との問いへの回答。
「恋は…ずっとしていたいもの(はぁと)」
さすがにずっこけざるを得ない。「自分にとって大切な人たちと一緒に、愛を持って生きていくことで、人生は豊かになっていく」という沢尻だが、2009年1月に明治神宮で挙式をあげ愛を誓った高城剛氏との離婚騒動にはまだ決着がついていないはず。11年春に唐突に持ち上がった高城夫妻の離婚騒動だが、いまだに離婚届の提出に至っていないにもかかわらず、沢尻はレゲエファッションブランドデザイナーとの交際・半同棲をスッパ抜かれるなど、新たな恋に前のめり。「ありのままの自分」や「素直な気持ち」を大切にしすぎた結果、周囲の人間を振り回しているようにも見えるのだが……。
ただ、沢尻の機嫌や気分がコロコロ変わるのは今に始まったことではない。上機嫌でマスコミ対応していたかと思えば、張り込み記者に「うるせぇ! うぜーんだよ!」「ファックユー!」と凄んでみせる変貌ぶりが彼女の持ち味とも言える。とはいえ、オーガニック信仰に関してはすでに彼女の中で確固たるものとなっているようで、まだ高城氏とラブラブだった頃に受けた雑誌インタビューでも、ホメオパシーにハマッていることを嬉々として明かし、「ケミカルなものを体が受け付けなくなった!」と語っていた。
ありのままの自分(=すっぴん)で勝負できるカッコいい女を目指して、内面の美しさを磨いていきたいという沢尻。容姿の美しさは誰もが認めるところだけに、情緒を安定させ内面から湧き出る「美しさ」も見せてほしいものだ。
(犬咲マコト)