彼氏がいようといまいと、ビッチだろうと喪女だろうと、どんな女性のもとにも“独り寝”の夜はあります。丸ごと自分だけに使える貴重な時間、ぼやぼや過ごすのはもったいない。オナニー(ONN)、妄想、オトナのオモチャ……明日の、そして未来のエロライフに繋がる“攻め”の独り寝を、独り寝ニスト&バイブコレクターの桃子が提案します。

Photo by Josh Pesavento from Flickr
バイブと本物、どっちがいい? と訊かれたときの私の回答が、「身勝手なだけのチ○コなら、バイブのほうが断然イイ!」であることは、以前に紹介したとおりですが、今回は私史上最高の身勝手チ○コについてお話させてください。その名も「恥骨クン」です。友人の紹介で彼と出会い、デートを重ねたのは、もう数年前のことになります。
話がツマンナイ男性で、繰り出される俺トークにすでに辟易ぎみでしたが、私は恋人がほしくて焦っていたので、とりあえずお試しで寝てみることにしました。ハイ、私はお付き合いをする前に試運転を重ねる派です! この考えには賛否両論あるでしょうが、彼にかぎって言えばしておいてよかった……。そう思ったのには、3つの理由あります。
名前の由来になった驚愕愛撫
さっそく名前の由来です。この人のセックスってどんなだろう? 期待半分、不安半分。お付き合いするなら、相性がいいに越したことはありません。シャワーを浴びて、キスをして、タオルをはがして……。前戯がウマいかヘタかでいうと、まぁウマくはありませんでしたが、初Hということで緊張しているのはお互いさま。今後、交際していくなら、そこからすり合わせていけばいいだけです。そうこうしているうちに、彼の手が私の下半身に伸びていき……。
なぜか、恥骨を触るんです。
最初はマッサージの1種かと思いました。中指の腹でギュウギュウ押される私の恥骨。何をしているんだろう、この人? しばらく様子を伺うことにしましたが、彼はなおも恥骨を押しています。ときに指の動きに変化をつけながら……。私はそこでようやく気づきました。小さい円をクルクル描くようなその動き。もしかして、クリトリスを刺激しているつもり!?
私はバイブONN好きですが、もともとはクリ派。というより、クリで感じない女性は少数派ですよね。だから私のなかで、クリへの刺激というのは前戯のうちでもクライマックス! ここで気持ちよくなれれば、挿入以降もそんなに事故はないと思っています。
な・の・に、触り方がヘタどころか、クリトリスの位置をわかってない……? ごそごそと自分の骨の上でうごめく指にものすごい違和感を感じつつ、私は目の前が真っ暗になっていきました。どう言えば間違っていることを伝えられるか、頭をフル回転させて考えてもいました。そんな私の耳元に、彼の顔が近づいてきました。そしてささやいたひと言は、
「君って、濡れにくいんだね」
年上の彼が今まで何人の女性と経験をしてきたかはわかりませんが、彼はずっと恥骨ばかりを触り続けてきたのでしょう。そしてその自信満々な態度に、真実を告げられる女性もいなかったのでしょう。じゃ、私も言わなくていーや。そう思いました。本当のことを言うのって、けっこうなエネルギー使いますもの。このひと言で、その気がすっかり失せてしまったのです。
誰のための愛撫?
ウンともスンとも言わず、ただ寝転がっているだけの私のことを「感度のニブい女」と思っているのかどうかはわかりませんが、彼自身は喜々として前戯を続け、おもむろにクンニリングスを始めようとしました。「ちょ、ま、待って!」と、私、マグロ状態からいきなり起き上がってのダメ出し。私は舐められるの苦手なんです。理由は、羞恥しか感じないから。それが興奮と紙一重の恥ずかしさならいいのですが、ただ不快に恥ずかしいのです。ここでもその旨をちゃんと説明したうえ、丁重にお断りしました。そこで返ってきた答えが、
「なんで? 俺、興奮するんだけど」
えーっと、あなたの興奮をあおるために、私は大股を開き、股間に不快な刺激を受け続けなければならないと……? これはもう、議論の対象にもならない。私はそう判断しました。さっさと終わらせて、家帰って、シャワー浴びなおして、寝て、そんで忘れよ! と思いながら残りの時間をやり過ごしました。せめてもの救いは、彼が早かったことです。
ホテルに誘うのはどっち?
と思ったのに、その後も会ってしまいました、恥骨くん。われながら、ほんと焦ってたんですねぇ。当時の自分をひっぱたいて、目を覚まさせてやりたいです。ちなみに2回目も彼は恥骨をせっせと触り、イヌのようにぺろぺろと舐めていました。
そして3回目。とあるエリアで食事をして、ほんのり酔ってから、ホテルへ……という流れ。ちなみに、彼はそのエリアにまったく詳しくなく、食事のお店を選んだのは私ですが、そういうのは気にしないんです。知っている側から提案すればいいし、そもそも自分の好きなお店に行きたいし。で、外に出たはいいけど、彼はホテルの場所もわからない。行きたいなら行きたいと言えばいいのに、ウロウロと夜の街を歩くだけ……。こうやって当てもなく歩いているうちに、運良くホテルに行き当たるとでも思っているようです。
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